20.パパとおっさん―4
「な、な、何故殴るっ!?」
「当たり前でしょう!? レディの前で、そんな粗野なものを見せないで下さいっ!!」
(今のでこの反応って、父親と一緒に風呂とか入らなかったのか?)
グルゥはヒリヒリと痛む頬を押さえて、涙目になった。
「パパ、だいじょうぶ? ごめんね、ボクのせいで」
つられて半泣きになるミノン。
単純に可愛い。
グルゥはそう思った。
「なんだよサリエラ、あんなの、ちっちゃい連中の面倒を見てたら普通だっつーの。なんだったら、オレの方がミノンの面倒を見るのうまいかもな」
「ふ、普通!? あなたも相当な淫靡の国からやって来たようですね! 最低ですっ!」
それを聞いて、ははーん、としたり顔を浮かべるキット。
「っていうかオレ、親父のチ○コも見てるからな」
ぶーッと、グルゥは全力で吹き出した。
「え、え、え……な、なんですかそれ。どういう……ことなのですか……!?」
わなわなと震えて、血走った目で睨んでくるサリエラ。
単純に怖い。
グルゥはそう思った。
「か、勘違いするなサリエラ。キットの面倒を見るために、一緒にシャワーを浴びたことがあるというだけだ」
「そ、それでも……それでもです……っ!!」
興奮が頂点に達したサリエラは、ついにグルゥに向かって飛び掛かる。




