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20.パパとおっさん―3

「そうでちゅね、パパと一緒に体を洗いましょうね」


 三人の中でもとりわけ幼いミノンは、見た目だけでいうと六歳くらいの子供に見えた。

 ミノンの面倒を見るのは、かつてノニムを育てていた頃と重なるものもあり、グルゥの口元はつい綻んでしまうのである。


「お、おい親父っ!! ミノンを連れてどこに行くんだよっ!」


「ん? いや、川は危険だし一緒に水浴びをしてこようと思ってな。お前達は勝手にやってていいぞ」


「よくありませんっ!! それなら私も一緒に……じゃなくて、私が面倒を見てあげますっ!」


 確かにサリエラくらいの年齢なら、ミノンの世話を任せてもいいのかもしれない。

 グルゥはそう思ったが、サリエラの考えは別のところにあったようだ。


「だいたい、ミノンは女の子なんですからっ! お父様と一緒に裸になるというのも……ねぇ、ちょっとハレンチでしょう!?」


 六歳くらいの子供を相手になんてことを言うんだと、グルゥは頭が痛くなるのを感じる。


「え? ミノンは男の子じゃないのか? 自分のことを“ボク”って言ってたぞ?」


「あら? やはりあなた、人を見る目がないのですね。あんなに可愛らしい顔の子、女の子に決まっているでしょう」


 それをきっかけにまた言い争う二人。

 言われてみればミノンの性別についてはちゃんと確認してなかったと、グルゥはすっとミノンのズボンを下ろした。


「お、なんだ男の子じゃないか」


 そこには可愛らしいぞうさんが、ぱおーんと一匹鎮座している。

 ピシッ、とサリエラが石化したように固まった。


「お、お、お父様……っ!」


「ん? どうしたサリエ――」


「このド変態がッ!!」


 サリエラのフルスイングの平手打ちが、グルゥの左頬に炸裂した。

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