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19.大脱走とおっさん―5

「アォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!」


 それはまるで――いや、狼の遠吠え、そのものだった。


 被っていたキャップが、はらりと地面に落ちる。

 光が消え去った時、そこに居たのは、獣の耳と尻尾を生やしたキットの姿だった。


「キットお前……コボルトだったのか!?」

「いや、この種族特徴は……『強欲』の『マモン』の血統かッ!?」


 グルゥとビルブーは、一瞬力比べをしていたのを忘れて、キットの身に起きた変化に気を取られていた。

 次の瞬間、キットの姿はその場からいなくなる。


「な――」


 大地を蹴り上げ跳んだキットは、ビルブーの真上に位置していた。

 そして雷を纏った手刀を、ビルブーの首筋に叩き込む。


「ブヒィィィィィィィィィッ!!」


 いくら分厚い脂肪の鎧に守られていても、体内を貫通する電撃の前には無力だった。

 ビルブーはグルゥとの力比べを止め、自身を守るためにキットとの距離を取る。


「お前、その姿……!?」


「分からない。分からないけど、力が溢れて止まらないんだ」


 全身に電撃を帯びながら俊敏性を生かして戦う姿は、確かにグルゥの知る『マモン』の血統の力だ。

 だが、グルゥが会ったことのある『マモン』とは、決定的に違う点が一つある。


(『マモン』の種族特徴は、猫のような耳と尻尾だったはず。何故、キットに生えているのは犬と似た形なのだ)

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