18.再会とおっさん―4
「思い出してくれっ……! 初めて会った時のこと、川で一緒に遊んだこと、一緒に風呂に入ったこととか……! 私は、またキットに会えて嬉しいぞっ。お前はどうなんだ、キット!!」
「うううううううう、あああああああああああああああああああああっ!!」
グルゥの言葉に、キットは頭を抱え込んで――そして、感情を爆発させた。
キットの体から放出された電撃が、ダガーを伝ってグルゥの体を焼き焦がす。
グルゥは激しく痙攣し、声も発することが出来ないまま、その場に崩れ落ちた。
「…………え…………?」
キット自身、何が起こったのかよく分からなかった。
フォルの影響を受けた後、一時的な記憶喪失になって、ビルブーの自分が父親だという言葉を信じ込んでしまい、言われるがままに行動していた。
それが、グルゥの捨て身の説得により、ようやく記憶を取り戻すところにまで辿り着いたのだ。
ずっと会いたかった人が目の前にいる。
なのに――それなのに――
「う、う、うわああああああああああああああああああああああああああっ!!」
フォルの影響により突然発現した、電撃の力。
それはグルゥの全身を駆け巡り、心臓を止めるほどの力を持っていた。
「親父、どうしてだよ、親父ぃっ!!」
キットはすぐさまグルゥの心臓に手を当て、何度もマッサージをしたが、一度止まった心臓が動き出すことはなかった。




