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15.続・トリカゴとおっさん―4

 船上にて、ブランはサリエラに言っていた。


「しかし、あまり賛成は出来ませんね。グルゥさんはともかく、サリエラまで労働者のフリをするというのは。トリカゴの労働環境はとても劣悪で、命にまで関わる危険性があると聞いています」


「だからこそ、私も行くのです。お父様に付いて行きたいとワガママを聞いてもらった以上、私だけ安全な場所で高みの見物を行うというのは、私自身が許せません」


 強くなったと、ブランはサリエラの成長を感じホロリと涙を流しそうになった。

 が、グルゥの前であまり関係性を勘付かれるような挙動をするわけにはいかない。


 辛うじて涙が流れ落ちるのを堪えて、キッとお堅い表情に戻る。


「さぁ、見えてきましたよ……あそこがくろがねの監獄、トリカゴです」


 荒々しい波を掻き分けた先に見えたのは、自然の豊かな島と、その中央に不自然に聳え立つ鋼鉄のドーム。

 まるで、全ての生命を拒絶するかのような無機質な威圧感に、グルゥとサリエラは険しい表情を作った。


「怖気づきましたか?」


「いや……むしろ奮い立ったよ。キットを、いつまでもあんなところに置いておくわけにはいかない」


 そして、グルゥとサリエラの二人は、ブランの手回しもあって見事に労働者としてトリカゴの中に潜入することに成功したのだ。

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