表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/984

15.続・トリカゴとおっさん―2

「まあ、あなたの訴えにも一理ある。この件は、王への報告程度に留めておきます。すぐに処置をしろという話ではない」


 ブランの言葉に、ビルブーはホッとした表情を見せるが、その腸は煮えくり返っていた。


 余計なことをすんじゃねぇボケッ!!

 それが一番嫌なんじゃいッ!!

 ワシの楽園が穢されたらどう責任取ってくれるんじゃッ!!


 ……が、王国の人間にそのような態度を取ることは出来ないので、にこやかな笑顔を取り繕う。


「感謝いたします」


「見たところあなたはドワーフのようだ。フォルに頼らず機械装置を作成することも可能だろう?」


「えへへ……確かに見た目はそうですが、中身はちぃーっとばかし違うんでさぁ」


 ほう、と値踏みするようにブランはビルブーを観察した。

 だが、その目はすぐに、汚いものでも見たかのようにモニターの方へと背けられる。


「それと、これは喫緊に対応して頂きたい課題なのだが」


「は、はいっ!?」


「もう少し、警備の人数を増やした方が良い。些か血の気の多い手合いを連れて来たのでな」


 それはブランが、施設の見学と同時に連れて来た、本土で捕まえたという旅の二人組みのことである。


「もちろん、かかった費用は王国に“きっちり”請求するといい。これは私からの命令、だ」


 それだけ言い残して、ブランはトリカゴを発つ為に監視ルームを後にする。


(妹を任せるとは言ったが――協力するとは言っていない。もしもこの程度で潰れるようであれば、その時は)


 ブランの口元には、サディスティックな笑みが浮かんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ