表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/984

15.続・トリカゴとおっさん―1

 多数のモニターが設置された“監視ルーム”。

 まるで玉座のような豪華絢爛な椅子の上に、トリカゴの管理人、ビルブーは座っていた。


「ぐわっはっはっは。どうですかな? このようにして、労働者の生気を奪うことにより、抵抗する気を起こさせず、安心・安全な運営体制を構築しているのです」


 ビルブーはそう言って足を組もうとしたが、大樹のように太いふくらはぎの筋肉と、でっぷりと出た腹が邪魔をし、組むことが出来ずに失敗する。

 照れ隠しなのか、ビルブーは葉巻をもじゃもじゃの髭の中に隠れた口に咥えると、大きく煙を吐き出した。


「ふむ。……しかし、このモニターの動力はどこから調達しているのですか?」


「ええ!? そ、それは――」


「まさか施設で採取した“フォル”を、利用しているのではないでしょうね? それがあれば、もっと王国へ献上出来る量を増やせるのでは?」


 ビルブーが会話している相手は、ブランだった。


 ビルブーは内心舌打ちをする。

 王国の人間が抜き打ちで施設を見学に来ると聞いて、相当焦ってはいたが、やはり難癖をつけて“フォル”を搾取するためにやって来たのかと。


 貴重な資源である“フォル”は、当然アルゴ公国内でも利用をする。

 それを多く王国に持っていかれては、わざわざトリカゴの運営を公国で行う必要性がなくなってしまうのだ。


「しかし、これだけ監視をしていないと、いつ暴動があるか分からんのですよ!」


 必死に、その危険性を訴えるビルブー。

 ブランは興味なさげにそれを聞いていたが――


「おや?」


 モニターの中に一人の子供の姿を見つけると、その口元が僅かに緩んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ