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14.トリカゴとおっさん―11
五日目の労働時間が始まった。
坑道の中で、いくら姿を探してもおっちゃんの姿は見つからない。
ミルププも戻って来ないし、どうしようと、キットが心細い気持ちをいっぱい抱えていた時だ。
「お、お前は昨日のガキだな」
珍しく監視官の方から声を掛けられたかと思うと、その男は昨日おっちゃんを連行した監視官だった。
「あ! お、おっちゃんは――」
「アイツか? アイツなら、夕べ独房の中でくたばってたらしいぜ。せいせいするだろ、ハハ」
「……………………え?」




