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14.トリカゴとおっさん―7

 翌日、坑道のような作業場でのこと。

 キットは昨日の礼がしたいと、自分を助けてくれた“おっちゃん”を探し回っていた。


「コラァ、ガキ!! さっさと持ち場で仕事をせんかぁっ!!」


「“フォル”がよく取れる場所を探してるんだよっ! 効率の良い仕事のためだ、そうせかせかすんなって!」


 今日のキットには、監視官のお叱りの言葉にも言い返すくらいの元気があった。

 そのやり取りが目印となって、おっちゃんの方からキットの下へ駆け寄ってくる。


「き、君。そんな目立つようなことをして――」


「いいんだ、いいんだって。今日はおっちゃんの隣で、作業をしてもいいか?」


 かなり強引であったが、キットはおっちゃんの横を陣取り、一生懸命ツルハシを振るう。

 その姿を見て、おっちゃんも思わず笑みを浮かべて、キットの申し出を快く受け入れるのだった。


 それから二人は、様々なことを話した。

 トリカゴでの過ごし方、気を付けた方が良い監視官、そして、どうしてここにやって来たのかを。


「盗みを、働いたんだ」


「盗み? ……おっちゃんがか?」


「ああ。君と同じくらいの子供がいて、病気だったんだ。どうしても薬が必要で……自分自身に負けてしまった」


 おっちゃんの話を聞いて、キットは慌てふためき言葉を発した。

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