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13.家出少女とおっさん―7

「もちろん、箱入り娘ならぬ籠入り娘ですから、そのような教育は一切受けていないでしょう。私もかつて聞かれたことがありましたが、ペリカンが運んで来ると答えておきました」


 お前のせいかぁぁぁ、とグルゥはブランを責めたい気分でいっぱいになる。


「驚いたのは、後日その話を確かめるからついて来い、と言われたことですね。一日中ペリカンの口を開けて中を調べる彼女の姿は狂気の沙汰でした。なんか臭いし、べちょべちょしてそうだから嘘っぽいと、彼女の中では結論付けられたようです」


「ペリカン説で通しておいてもらえれば、あんなことにはならなかったのだがな……。お前は、サリエラを連れて帰るつもりなのか?」


 グルゥの問いかけに対し、ブランは首を左右に振った。


「まさか。そんなことをすれば、私の方が彼女に殺されてしまうでしょう」


「殺される……?」


「まあ、もう少し付き合いを深めれば分かることです。もっとも、口ぶりからしてその片鱗にはもう触れたようですがね」


 あれで片鱗なのか、とグルゥは思わず口に出しそうになった。


「……って、ちょっと待て?」


 そこまで来て、グルゥは何か話が妙な方向に行っていることに気が付く。


「お前、私がサリエラを連れて行く前提で話をしていないか?」


「え? 違うのですか? 既に彼女はあなたのことを気に入っているようです。私に対して、あそこまでの実力行使をしてあなたを庇ったのですからね。連れて行かない、という方が逆に難しいと思いますよ」


 サリエラをブランに渡す気もなかったが、かといって連れて行くつもりもなかったので、グルゥは頭を抱え、ぐぉぉぉと苦悩した。

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