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13.家出少女とおっさん―5

「当然、既に取りすぎている分については還付してもらえるんだろうな」


「もちろん。そこは“きっちり”させて頂きます。還付に際しての利息も付くと思いますが」


 唐突に剣を抜くブラン。

 その切っ先は、グルゥが捕まえている公国の男に向けられていた。


「“きっちり”、あなたに請求させて頂きますよ。……そして今回の問題行動についても、然るべき処罰を下させて頂きます」


 ブランに凄まれ、公国の男は泡を吹いて失神した。

 なんと臆病で情けない男だと、グルゥは呆れ返って、砂浜の上にポイと捨てておく。


「ってことは、なんだぁ!? オイラたち、既に3割以上の税金を払ってたってわけか!?」


「カッツォさん、ツンナさん。あなたたちも……もう少し、国政などに気を配った方が良いと思いますよ。でないと、こうやってピンハネすることを考える、不正経理をする輩はどこにでもいますから」


 グルゥに諭され、カッツォはあはは、と申し訳なさそうな笑みを浮かべる。


「何はともあれ、これにて一件落ちゃ――う!?」


 次の瞬間、グルゥの表情が一変し、深刻な顔つきへと変化する。

 何があったのか、とサリエラは不安げにグルゥに駆け寄ろうとしたが、


「おろろろろろろろろろろろろろ」


 ただのリバースだった。

 海に向かって虹をかけるグルゥに対し、その背中をポンポンとブランが叩く。


「少し……あなたにお話があります。今晩、またこの砂浜でお待ちしておりますよ」


 そう言った後、ブランはひょいと公国の男を抱えあげると、その場から去っていく。


 ニサードの問題は解決したものの、ブランと――サリエラを巡る問題は、まだ一悶着ありそうだった。

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