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13.家出少女とおっさん―4

「ど、どうして」


「何がだ」


「どうして、そんなことが分かったんだ!? こんな田舎では、他の町の情報なんて手に入らないはずなのにッ!!」


 男の問いに、グルゥはうっと呻いて目を伏せた。 

 その情報源は、なるべく明かすことをしたくなかったからだ。


 だが、


「私ですよ」


 その答えは、グルゥでもサリエラでもなく。

 ブランの口から発せられたものだった。


「へ……ブラン、様……?」


「早朝からなんて迷惑な男なんだと思いましたけどね。私の寝床まで訪ねてきて、少しでもいいから税に関する情報を見せろ、なんて言うのですから。あ、もちろん心配しないでください、私が彼に渡したのは一般にも公開されている情報で、他の町の収支状況についての資料ですよ」


 そう、グルゥは約束の正午になる前に、ブランの居所を探し出して情報を渡すよう頼み込んでいたのである。


「なんで、そんなものを」


「私の目的をお忘れですか? “正しい額を、正しい方法で、正しく納めて頂く”。当然、税に関する資料は一通り読み込んでからここに来ています」


 だとしたら、初めからトリックには気付いていたはずじゃないかと。

 ブランの言葉の裏を読んで、グルゥは鼻白む思いだった。


 恐らく、ブランの真の目的は――

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