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12.性教育とおっさん―8

 グルゥの導き出した答えに、サリエラは愕然とした。


「まさかの高レアリティ……ッ!?」


 そしてよいしょ、とグルゥの上から降りるとパタパタ走って部屋を出て行く。


「…………うん?」


 メモ帳とペンを手にして戻ってきたかと思うと、サリエラはグルゥの教えを一字一句間違えずにメモ帳に書き取り、ベッドの中に戻ってすやすやと眠り始めた。

 当然、グルゥを束縛していた“魅了チャーム”は効力を失い、グルゥはようやく自由を取り戻す。


「な……なんだったんだ」


 どっと疲れが出て、せっかく自由になったのに、今のグルゥには指一本動かす気力も残っていなかった。


 初めから、素直に答えてやれば良かったのだ。

 “子供の作り方”――サリエラは、純粋に知らない知識を学習しようとしていただけなのだから。


「それにしても、だな」


 グルゥは満足げな表情で眠っているサリエラを見て、心の底から叫びたかった。

 ここまで暴走しておいて、その回答で納得するのかよ、と。


「……まあ、いいか」


 どの道、そこをこれ以上掘り下げるつもりもないので、サリエラにはこの答えで満足してもらうことにする。




 翌朝、全てを忘れて目を覚ましたサリエラのホギャーーーーーという叫びとビンタによって、グルゥは文字通り叩き起こされるのだが、夜中の出来事に比べたらマシだと広い心で受け入れるグルゥであった。

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