12.性教育とおっさん―7
しかしこの状態、非常に危険な状態であった。
グルゥの過去の体験の通りなら、今のサリエラには急所を握られているのと同じ状態だからだ。
(もし、間違ってサリエラの手が直接、私の……その……あの……乳首にでも触れたら……恐らく私は発狂し、完全にサリエラの言いなりになってしまうだろう)
それを認めるのも屈辱的だった。
(この子は基本的にアホだ……そしてその上、性に関する知識が全くない……だからこそ、このカオティックな状況が生み出されてしまっている……)
ちなみにカオティックな状況とはグルゥの乳首鑑賞会のことである。
(いや、待てよ……!? そうか、そういうことだったのか。性に関する知識がないこと、つまりそれを逆手にとれば……っ!!)
グルゥが導き出した、たった一つの冴えたやり方。
それは――
「分かった、子供の作り方を教えてやる!!」
「――ッ!?」
グルゥの宣言に、サリエラの動きがピタッと止まった。
そしてゴクリと唾を飲み込むと、グルゥの上で次の言葉を今か今かと待ち侘びている。
「本当……ですか? 今まで、どんな大人に聞いても教えてはくれなかったのに」
「ああ、大丈夫だ。お前は、それが分からなくて困ってたんだよな。よーく分かった、だから、ちゃんと教えてやる」
グルゥは覚悟を決めた。
もしも、もしも次の言葉の選択を間違えたのなら。
自分はきっと、サリエラに奪われてしまうのだろうと――
「流れ星に願いをかけると低確率で落ちてくる……っ!!」




