12.性教育とおっさん―6
とにかく今のサリエラは、その“魅了”の魔法をかけてきたラミアと、同じような目の色をしていた。
つまりこのままサリエラを放っておいては――自分の身が色々な意味で危ないと、グルゥは改めて自身に迫る危険について再確認する。
「やめろ、サリエラ!! お前はおかしくなっているんだ、いったい何があった!?」
「お父様の手……大きくて、温かくて、分厚くて、毛深くて……とっても素敵です」
「あひゅん」
グルゥの必死の抵抗も虚しく、サリエラにくすぐられる度に全身から力が抜けてしまう。
よくよく見れば手足も別に縛られているわけではなく、魔法的な拘束によって、グルゥはベッドの上に磔にされてしまったのだ。
あの時、サリエラの添い寝を許可しなければ――グルゥは深く後悔していた。
「そう、なんです……。私、時々おかしくなって……夜になると、体が熱くなって、どうすればいいのか分からないんです」
(そ、それが無意識的に魔法として発現しているのか……!?)
「昼間、お父様の乳首を見てから、私の体はおかしくなってしまって……もう一度、拝見してもよろしいですか?」
だからあんな過剰な反応をしていたのかと、今さらになってグルゥは納得した。
そして、自分の物差しで考えるのではなく、もっと真面目にサリエラと向き合ってやれば良かったと、改めて反省をした。
サリエラはグルゥの胸元をはだけさせ、乳首を出したり、もう一回隠したり。
その度にきゃっきゃとはしゃいでいた。
「発見しました……! 常にオンではダメっ、チラチラ見えたり見えなかったりするからこそ、良いものなのですねっ!! オンっ、オフっ、オンっ、オフっ」
(しかし基本的にアホすぎる!!)
若干冷静になって、グルゥは落ち着きを取り戻す。




