12.性教育とおっさん―2
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
グルゥは混乱した。
『アガスフィア』に来て以来、今まで無かった規模の大混乱だ。
「こ、こっここここここでって、ここか!?」
「ええ、ここで良いです。……ここが、良いんです」
サリエラはそう言うと、グルゥの胸にそっと顔を寄せてくる。
気丈な態度を取ってはいたものの、本当は彼女も不安だったのだろう。
「そう、か……」
であれば、今はこれからの話より、ただ甘えさせてあげた方が良いだろうと。
グルゥはそう判断し、サリエラの体をぽんぽんと叩いてやる。
まるで、親が赤子を寝かしつけるようにだ。
腕の中で眠るサリエラは風呂上りのようで、体からは石鹸の良い匂いがしている。
髪形も、結わえていた変な形は止めていて、ロングヘアーを下ろした姿は別人のようで、気品すら感じさせる顔立ちをしていた。
(……あれ? 男性には免疫がないとか言ってなかったか?)
グルゥは不意にそのことを思い出したが――今、それを持ち出すのは野暮だろうと、心の中に閉まっておくことにした。
だが後に、グルゥはその判断が誤っていたと、酷く後悔することになる。
健やかに寝息を立て、眠ったように見えたサリエラだったが……その瞼は、薄く細く開かれていた。




