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酔いどれ腐れ  作者: フロード【fload】
第零章〜嵐組〜
9/59

お風呂に入らせてくれないですか?

 ヒュウ、と笛のような音を奏でて、星の煌めく闇の中、夜風が頬を撫で通り過ぎていく。結局お風呂は入れていない。今回攻めてくる「アイツら」のせいで。

 あ、通信来た。


《香、俺の声が聞こえるか〜?》

『ウザイから普通に話して、誠』

《OK、今お前のところに敵勢力が多数来ている》

『了解』


 そっと、深呼吸。大きく吸って、自分の隊、通称 香隊(ホントは韓紅組(からくれないぐみ)で、カラーが韓紅色だから)にむかって声をかける。


「おい、お前ら。敵が来ている。持ち場につけ」

「「「「「「らじゃー!」」」」」」

「……静かにな」


 ボクの組はオールラウンダー。ピストル隊15人、刀隊15人の30人編成。+吹隊(本当は桃隊)のスナイパー応援5人で合計35人。

訓練は既に積んでいる。狙いは的確。コイツらだけでも殺れる。


 ザッ、ザッと土を踏む音がする。その音はだんだん近づいてきていて、味方に重苦しいプレッシャーをかけていく。


『敵勢力確認。奇襲をかけます』


 聞いていたかは知らないが、通信はしておいた。まずは……そうだな、刀で行くか。


 音を立てずに木から飛び降り、中央に躍り出る。


 相手の慌てる声。手にした日本刀を真っ直ぐに持ちくるりと回転する。


 軽くて切れ味のいい特注の日本刀だ。たちまち辺りには赤が舞い、その色に染めあげる。


 牽制するように辺りを見渡すと、倒れた1人がボクに銃口を向けている。落ち着け。こういう時は……


 パァン!


「ナイスです、吹さん」

「どーいたしまして♪」


 澄んだ空気に鳴り響いた、乾いた銃声。そいつの手を吹き飛ばす、威力のある弾。こんなに的確に当てられるのは吹さんしかいない。さすが。


 後はピストル隊で細かいのを殺れば……


「三室隊長! 1人で突撃するの辞めてくださいよ!」

「別に。怪我してないからいいだろ」


 部下がやっと追いついてきて、()()を始める。ここはもう任せていいか。ピッ、とちょうどいいタイミングで通信機が鳴り、誠の声が聞こえた。


《香、そこにいるか?》

『あぁ。片付けた』

《戦況が危ない翔の所に応援に行ってやってくれ》

『了解』


「吹さん! ボクちょっと応援行ってきます! ピストル隊A、刀隊Aついてこい!」

「OK♪頑張ってね!」

「「「「「了解っす!」」」」」


 A班は5人で編成されている。つまり今連れてるのボクを入れて11人。


 はぁ、翔の奴、なにしてるんだよ。苦戦しているなんて珍しいな。

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