おかしいのは
〜香Side〜
「なニナに!? 2人共何話しテンのー?」
「あ……紅、みむが変なんだけど……」
「エ!? ナンでなンデー!?」
ボクが……変? 特に変わったことはないんだけど。
「だから、ボクに何教えてくれるの?」
「!!??」
「わかったか、紅」
「ウン……でもソンなコト聞いタコとなイ……、ネぇさっきー?」
「あぁ、初めてだ。こんな事は」
「ねぇなんの話? 何かボクおかしな事言った?」
皆顔を見合わせて、目で議論している。いつもはいがみ合ってる葉と涼でさえ共に真剣な表情で目で訴えている。
いいな、3人は何度も一緒に死地をくぐり抜けてきたから心が通じ合ってるんだ。
「なぁ、みむ、オレは……」
「みむ、僕たチは…」
「「2週間前に教えたよ?」」
……え?
明日教えてくれるって事だったはずなんだけど?
「アレは脳に負担をかける。ここ2週間の記憶がアレに押し潰されてしまったんだろう。」
「アレ? アレって?」
「みむ、聞いてくれ……。みむが潜入捜査するまで後1週間しかない。ここ2週間の事をもう一度教え直す時間はない……、つまり、わかるか?」
「……つまり」
「何も知ラナイまま行かナきゃナラない……?」
「いや、1週間でできることは教えてやる。覚悟しておけよ? 三室」
「は、はぁ……」
「ごめ……ね、みむ。僕……の……いで」
「ん? 紅ちゃん、なにか言った?」
「……ナんでモナい! 頑張ッテね、みむ!」
「あ、うん……」
「……とりあえずボスには連絡しておくから……」
「葉、よロシく!」
なんだかんだでよくわからないけど、記憶が消えてる? ……で、この3人は何かを知ってる。ならなんで教えてくれないんだろう。
「えっと……、ボクは環素羅組に潜入しなきゃならないんでしょ?」
「……そこからか」
「あのネ、みむ。変更点がアッて千早組に行くコとにナッタ!」
「ボスがあの20XX年に大量発生した汚物は消毒じゃああ! ヒャッハァァアアアア! とか言いながら火炎放射器で人を焼き払いそうなモヒカン野郎のところには行かせられないってな!」
「それ有名格闘漫画に出てくる雑魚キャラじゃん」
「まぁそうだけどな! 千早組はちょっとした宗教組織なんだが、ここ最近過激になってな。お前のところの未来も怪我して帰った来たんだぞ……?」
未来、山野 未来(14)は僕の班の副隊長をやっている少年で、唯一の年下で可愛い弟のような存在だ。……それでも未来も副隊長を任せられる逸材だ。簡単にやられるわけがない。怪我ですんでたらいいんだけど…
「み、未来!? 無事なのか!? 今は!?」
「……心配しなくていーよ、ていうか、心配しなくてもいいことはみむが1番分かってんでしょ……?」
「そうだけど……!」
「ふフーん! みむったラ、アの時ト同ジはんのーシテるっ!」
「瓜二つすぎて……、これが無意識でできるってもはや才能だよな!」
「だ、大丈夫なのか……?」
「あったりまえだろ! じゃないとこんなに明るく話してないしな!」
良かった、無事で。
「と言うわけで……千早組の説明するから……」
そうして丸一日は千早組の情報の暗記に終わった。