第六話
遅くなりました。
昨日、友人と久しぶりに恋姫の話をしていたら……。
友人その一「好きなキャラ華雄とかワロスww」
零戦「てめぇ……」
友人その二「華雄好きならメインヒロインで書けば?」
零戦「そ の 手 が あ っ た か 」
友人その一「なら頑張ってなww」
零戦「……は?」
何故か恋姫の小説を書く約束をさせられた……。
まぁ約束だからいつ書くは自分の気分次第ですが(笑)
第二次閉塞作戦は史実通りの三月二七日未明に決行された。そして史実通りに失敗した。
「……失敗したか……」
「(……広瀬……)」
「(だから止めろと言ったのに……結局広瀬武夫という軍神を作ってしまった……)」
秋山参謀は海兵以来の同期生である広瀬少佐が戦死した事に嘆き、和将は罪悪感が芽生えていた。
(俺がもっと強く作戦中止を具申していれば広瀬少佐は助かったかもしれない……)
「秋山参謀、自分が強く具申していれば……」
「自分を攻める必要はない三好少尉」
謝る三好に秋山参謀はそう諭した。
「広瀬は旅順で死ぬ運命だった。そう悟るしかあるまい」
「秋山参謀……」
「だから君が気にする必要はない」
「……はい……」
秋山参謀の言葉に三好はそう頷いた。そして作戦会議で改めて三好は閉塞作戦の中止を具申した。
「もうこれ以上行う必要は無いと思います。無駄な犠牲者が増えるばかりです」
「無駄な犠牲者とはどういう事か!?」
三好の言葉に参謀達が噛みついた。
「言葉通りの意味です。優秀な人材を無駄に殺させる気ですか? 広瀬少佐が良い例です」
「だが旅順を封鎖しなければ何れはバルチック艦隊が来航するぞ!!」
「前に説明したように陸さんに協力を要請し、重砲隊が射撃して旅順湾内で撃沈若しくは撃破するか旅順湾内から追い出して叩くしかないです」
「陸軍に頭を下げろと言うのか!?」
「陸軍と争ってどうするのですか? 争ってロシヤに勝てるんですか? 勝てるなら案を出して下さい」
『………』
三好の言葉に参謀達は言葉を発する事なく三好を睨み付けるだけであった。
「……此処で争ってはならんぞ三好特務参謀」
論戦を聞いていた東郷は三好にそう告げた。
「三好特務参謀の意見も良案だと思う。だが此処はもう一回だけ行おう」
東郷は全員を見てそう告げた。会議終了後、三好は東郷に呼ばれた。
「済まない三好君。他の参謀を納得させるにはこの手段しかあるまい」
「いえ、それは仕方ありません。ですが自分としては二回目で終了させたかったです」
三好は悔しそうに呟いた。そして第三次閉塞作戦は史実通りの五月二日夜に実行された。
第三次閉塞作戦に使用された閉塞船は史実より少ない八隻であった。八隻の閉塞船はロシヤの隙を突こうとした。
しかし、作戦は史実通りに失敗した。原因は天候不順と旅順の陸上砲台からの迎撃である。閉塞作戦失敗の報告を受けた東郷は参謀達を見渡した。
「……第三次閉塞作戦を持って閉塞作戦は中止とする。旅順艦隊は陸軍と協力して叩く」
海軍は聨合艦隊からの報告を受けて陸軍の陸からの旅順攻撃を依頼した。
「海軍も漸くか……三好君の努力が少しでも実ってくれれば良いが……」
報告を受けた児玉はそう呟き、旅順部隊の編成を急がせた。これが乃木希典大将を司令官とする第三軍であった。
第三軍は史実通りの編成であったが野砲の数は多かった。更に第三軍には二八サンチ榴弾砲二四門の配備が決定された。そして児玉は乃木に工兵隊にヴォーバンの攻城理論に沿った形で塹壕を掘削するように要請した。
児玉からの要請に乃木も追従しようとした。しかし、それに待ったをかけた人物がいた。第三軍参謀長の伊地知幸助少将だった。
「塹壕だと時間が掛かりすぎます。それに海軍から一刻も早く旅順港内にいる旅順艦隊を叩けと言われております。それなら強襲突撃する他ありません」
「………」
「それに第三軍の備砲の中には戊辰で使用された四斤山砲や木製迫撃砲とやらもある始末です。砲兵司令部の判断ではロシヤ軍の堡塁の全てを破壊するのは難しいとの事です。これではいつまで経っても旅順は攻略出来ません」
「………」
伊地知の言葉に乃木は頷き、乃木は満州軍総司令部に「火砲不足のため強襲突撃を敢行する」と報告した。そして準備を整えた第三軍は七月二六日に旅順要塞の諸前進陣地への攻撃を開始した。展開は史実通りとなり乃木は総攻撃を八月十九日まで延期した。
「何を考えているんだ乃木!? 塹壕を掘削しながら四斤山砲と木製迫撃砲で陣地を一つずつ潰していくのが最適だと言うのに……」
報告を聞いた児玉はそう激怒していた。開戦前、旅順攻囲戦の事を三好から聞いていた児玉は損害を少なくするために塹壕戦で堡塁を一つずつ破壊していく作戦にしたのだ。そのために旧式武器だった四斤山砲と急造の木製迫撃砲を第三軍に配備させた。
四斤山砲は旧式砲だが歩兵砲代わりになると児玉が判断したのだ。しかし、伊地知はそれを武器不足で旧式を第三軍に回したと判断したのだ。
児玉の失敗は予め伊地知や乃木に一言言っておけば良かったのかもしれない。
「今更計画変更は言えん……三好の史実に……なるのか……」
児玉はそう呟き溜め息を吐いた。そして八月七日、黒井悌次郎中佐率いる海軍陸戦重砲隊が大弧山に観測所を設置して旅順港に十二サンチ砲を叩き込んだ。この時、擱座していたレトヴィザンに砲弾が命中していた。
擱座していた戦艦だったので被害はあまりないが他艦にも被害が出始めており、また極東総督アレクセイエフ大将の度重なるウラジオストクへの回航命令もありロシヤ旅順艦隊司令官ヴィリゲリム・ヴィゲフト少将はウラジオストクへの回航を決断、八月十日に旅順港を出撃した。
一方、聯合艦隊にしてみれば待ちに待った戦であった。旅順に閉じ籠った旅順艦隊を撃滅出来る絶好の機会だからだ。
聯合艦隊が旅順艦隊を確認したのは1230時、旅順の西南23海里付近の事だった。
「旅順艦隊視認!!」
「砲撃戦用意」
「砲撃戦用意!!」
東郷達が最上艦橋で指揮する中、三好は左舷の四十口径七.六サンチ単装砲のところにいた。理由は参謀達から疎まれていたからだ。やはり旅順閉塞作戦の事が引いていたからだ。
それに三好は特務参謀というよく分からない役職(参謀達視点。わざわざ陸軍と協力しやすいようにと作られた役職なのだが参謀達にしてみればそのままで良い筈と思っていた)で陸軍との協議に参加しているので実は陸軍の監視者ではないかと参謀達の中である事ない事言われていた。
東郷も流石に参謀達に注意を促そうとしたが三好が寸前で止めさせた。東郷が三好に肩を持てば参謀達が不審がると思ったからだ。
それは兎も角、ロシヤ旅順艦隊を撃滅すべく黄海海戦が始まろうとしていた。
この時、日本側には史実では既に戦没していたが第三艦隊の機雷掃海(史実より重点的に活動)のおかげで戦艦八島、初瀬が戦没せずに生還しておりこの海戦に参加していた。
対して旅順艦隊は初戦で戦艦ツェサレーヴィチ、レトヴィザンが擱座して実質的に喪失して戦艦は四隻となっていた。この微妙な具合が聯合艦隊に勝利の女神が舞い降りたのであった。
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