エピローグ
この物語は一先ず此処で閉幕します
「少しは周辺も落ち着きを取り戻してきたな……」
1947年4月、東京神楽坂にある小さな料亭で将和達は集まっていた。
「宮様もつい先日、逝かれてしまったな……」
宮様は史実より半年程の長生きはしたがやはり歳には勝てなかった。それに史実で生きていた者達もそろそろ……という具合だろう。だが、彼等は己の死ぬ間際まで日本のために身を投げるつもりだった。
「『翔鶴』型以前の空母は予備艦と練習空母に決まった」
「なら『加賀』も……」
「『加賀』は実験も兼ねてジェット機運用が可能な練習空母に改装予定ですよ」
他にも戦艦や甲巡も旧式の部類に入る艦艇は予備艦若しくは解体となっていた。
だが駆逐艦はまだまだ主流となり得るので幾分かの改装はあるが当分は現役のままであろう。
また陸海軍は再編成をしていた。陸は航空隊の一部を残して日本空軍編成のため振り分けていた。海軍も母艦飛行隊と一部の航空隊を残して空軍編成に移管させていた。
なお、日本空軍初代総司令長官には将和が海軍籍に身を置きながら臨時に就任している。
また政界でも色々と交代が起きていた。開戦時から一貫して首相の座に就いていた廣田は全ての事が終わると総理を退任、後任には吉田茂が就任し吉田内閣が誕生していた。
当初、吉田は将和の存在を疑心暗鬼としていたが陛下や周りの者達の言葉や実際の活動を見て将和を認め今ではよく未来の政治態勢を聞いてそれを今に活かそうと奮闘している。
「ソ連の動きは?」
「旧ドイツ艦艇や戦利品のイタリア艦艇を組み込んで依然増強体勢ですな」
「『グラーフ・ツェッペリン』を研究後に自沈させると思いきや改装して運用しているからな……」
「『翔鶴』型もSCB相当の改装を早くしませんとな……」
「だが今は民生が第一だ。国民は戦争中、よく耐えてくれた。その努力を今に報いなければならない」
「その通りだ」
「アメリカからまた貰いに行きますか」
「アメリカ様々だな」
「かもしれませんな……」
そう言って東條達は苦笑するのである。そして将和が自宅に戻ると相変わらず夕夏達は出迎えてくれた。
「おかえりなさい貴方」
「……あぁ……」
皆が笑顔で出迎えるのに将和は安堵を覚える。この笑顔が守れた事に将和はこの世界にタイムスリップした意味が分かったかもしれない。
「貴方?」
「あぁ今行く」
夕夏に呼ばれた将和は歩みを進めるのであった。
それから数十年も先の未来、かつて、日本を破滅から救った三好将和。その将和もとうとう老いには勝てず、妻夕夏と共に永眠した。
既にタチアナとシャーリーは先に逝き残った妻は美鈴だけとなった。
「夕夏……あの世でもよろしく頼むよ」
「任されたわ……貴方」
「暫くしたら私もそちらに行きますよ。だから……それまではゆっくりお休みください」
息を引き取った二人に美鈴は涙を流しながらそう呟くのであった。
筈だった。気付けば将和は再び生を受けていた。但し、少し違っていた。
「お主は今日より三好播磨守将和じゃ」
(おいおい待て待て……何だこの但馬三好家って……)
そして図らずも夕夏と再会する。
「ヤッホー貴方。今の私は大内義隆の娘、珠光なの」
「マジかよ」
気付けば勢力は拡大してなんやかんやあって日ノ本を統一してしまう将和であった。
「えーっと……夕夏は珠光で美鈴が井伊直虎、タチアナが貴族の娘でシャーリーが元立花ぎん千代……」
「まぁ全員集合して嫁にしたんだから良いじゃない」
そして日ノ本統一後、政務をなんやかんや行って再び永眠したと思えば……今度は近代の日本へ。
「但馬三好本家で将軍があれば十八代将軍だったかもな将和」
「いやそれはいいわ……」
「てかよく頑張ったなお前。今度の日本は前よりかは勝てるぞ」
「だと良いがな清」
そして将和の歴史は動き出す。それは八百万の神々が課した命か、それとも納得出来なかった者達の願いなのか。
「ま、またこの歴史を歩むならやってやるよ……日本のためにな」
それは神のみぞ知るのみである。
~~完~~
後書きという名の懺悔室
はい、てなわけで『歴史を変えるため(仮)』はこれにて一時幕を降ろします。
と言ってもまたやるんですけどな(核爆)
戦国時代についてはifで投稿したあの通りになるのでまぁ良いかなと(あれも書こうとしたらまた凄い年数掛かるっての)
ソ連戦、早くね?と思うかもしれませんがぶっちゃけソ連戦は蛇足に過ぎないんですよね(おい)
本命はアメリカとの艦隊決戦だったのでほぼ終わっていた感じなので。
まぁ仕事でズルズルこうなったのが原因ですけども。
次についても将和君主人公の三週目(一週目=今。二週目=戦国。三週目=次)でまたしても明治から始まります。
三週目の日本は二週目で将和が早期に天下統一をして海外進出したりして国力が大幅に向上している日本になります。
なお、今作で出来なかった展開やヒロインも出していくつもりであります(オヤ、ダレカキタヨウダナ……
それでは皆様、また次回の作品へ(・ω・)ノシ
御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m