突然の出来事
なぜ俺は保健室にいるんだ・・?時計を見ると3時を過ぎようとしていた。なぜいるんだ思い出せない、だけど思い出さなくちゃいけない気がするんだ。いい意味ではないほうでな。
よく見ると部屋に誰か居るとてもカワイイ子だ金髪だから外国人か・・・?だが俺はこの学校に外国人がいるとは聞いていない。まぁ俺が居ない時に来たのかもしれないのかもな。いろいろ考えながらその金髪の子の前を過ぎ去ろうとした時だった。
「あ、あっくん起きたんだね。結構眠ってたんだね」
「よく眠れた?」
俺はすべてを思い出したなぜ俺が保健室にいるのかそしてこいつがなぜ俺に話しかけてきたのか。
「さぁあっくん天使界にいこうよ♪」
「お前さっきから何を言ってるんだ?天使界とか意味のわからないことをいいやがって。すべて思い出したぜお前が俺に話しかけて来た瞬間に俺は気絶したんだだから保健室に今居るんだお前は一体なんなんだよ」
俺は少し強い声でそう言った。
「僕にはあっくんが何を言ってるのか分からないよ・・・僕はただあっくんを天使界に連れ戻しにきただけなのに・・・」と今にも泣き出しそうになりながらそう言ってきた。
「そんなことを言われても俺には何が何だがサッパリ分からないんだ。天使界がもしあるとしてもどこにあるのかなんて俺は知らないしな。すまないが俺は帰らせてもらうぞ」と言うと俺は彼女の返事も聞かずにさっさと保健室からでて家に向かって歩き出した。
いったい何なんだよ・・・この言葉が今の俺に思いつく最高の言葉だ。突然天使界に行こうとか言われてもいけるわけがない。多分誰が同じ事を言われても行かないだろう。
「ただいま」俺はそう言いながら家に入った。返事はないまだ妹は帰ってきてないそうだ。俺の家には俺とたった一人の妹以外誰もいない。父は俺が生まれる前に死んでしまったそうだ。母は5年前のあの事件に巻き込まれて以来消息が分からない。
俺は何も考えずに飯を作る用意をしだした。こう見えて俺は料理が得意だ俺と妹以外する人が居ないので勝手にうまくなる。
ドアの開く音がした帰ってきたみたいだ。
「ただいまー」
「帰ってきたか飯できているぞ」
「いい匂いがするねお兄ちゃん」
「そうだろそうだろ今日も美味しそうにできたぞ」
「飯食べる前にちゃんと手洗いとうがいしてこいよ風邪になったらだめだからな」
「もーわかってるよお兄ちゃん」
俺は自分がシスコンかもと思うところはあるがそれもすべて春香が可愛いせいだ。春香は俺の一つ下の16歳とっても可愛い自慢の妹だ。
「春香のお陰で今日の嫌なことを忘れられそうだ」
「何かあったのお兄ちゃん?」
「ああ、少しな、なーに春香が心配することじゃないよ」そう言いながら春香の頭を撫でる。
「もーお兄ちゃんったら」
もしあの事件で春香までも失っていたら俺は完全に堕ちていただろう。だけど俺は春香がいてくれたおかげで今もこう平和に生きている。
「ごちそうさまー今日も美味しかったよ」そう言うと春香は自分の部屋に行ってしまった。
俺も疲れたし今日はもう寝るか。今日は最悪の日だった、変な夢を見るし変な奴と会うし・・・そして今日はあの事件が起こってからちょうど5年目だ。それも関係しているのかもな。考えても仕方がねえさっさと寝るか。そう思いベットに入ろうとした時だった。突然インターホンがなりだした。
「僕だよ、クラリスだよ」
「・・・・・」
「いないのかな?勝手に入っちゃえ」そう聞こえた瞬間とてつもない音がした。玄関からだ。
「お兄ちゃん今の音なに?」春香が部屋から出てきた。
「なんでもない春香は部屋にいてなさいお兄ちゃんが見てくるからね」
「う、うん気をつけてね」
「心配するな」そう言うと玄関に向かって俺は急いでいったやはりあの女がいた。
「もーなんでいるのに無視したのよ・・・あっくんのいじわる」
「あたりまえだろ俺はお前とは話したくないし関わりたくもないんださぁ帰ってくれ」
「しかもお前どうやってドアを破壊したんだ?」
「え?おかしなこと聞くんだなあっくんは決まってるじゃんホーリーソードだよ」
「ホーリーソード?」
「うん、ホーリーソード」
もう嫌だなぜ俺がこんな目に合わなくちゃいけないんだ。
そんなことを思っているとさっきの音とは比べ物もならないくらいの爆音が外から聞こえた。
「こっちはまだあっくんが理解してないのにもう来たのか」
「?????」
意味がわからない。この言葉以上にいい言葉が見つからなかった。
「説明はあとにするよ」
「僕から離れないで」
「まてよ、どこにいくんだここにはまだ春香が・・・」
と、また爆音が聞こえた。今回の爆音は近いそれもかなり近い。微かに人々の悲鳴も聞こえる。
「おいクラリス何が起こってるんだ、説明しろよ」
「悪魔だよ、悪魔が攻めてきたんだ。だから僕は早くあっくんを天使界に連れていかなくちゃいけなかったんだ」
「意味がわからねえよもっと詳しく説明しろよ」その瞬間だった。目の前が爆音と共に真っ黒になった。もう一度目を開けたときはもうそこは焼け野原だった。
「大丈夫?怪我はない?」
「ああ、俺は大丈夫だそれより春香は、春香は大丈夫なのか」俺の頭の中はそのことでいっぱいだった。
「大丈夫だよ君が今助けたいと思ってる人全員に、エンジェルオーラをかけておいたからね。
「ありがとう、ごめんななんかお前のこと誤解してたみたいだ」
「えへへ、あたりまえだよ」誇らしげそうな顔をしている。
「なあクラリス?なんで町が焼け野原になっているんだ・・・?」
「これは・・・悪魔のせいだよ」
「悪魔・・・?」
「天使の次は悪魔かよ・・まあ当たり前と言ったら当たり前か」
「僕達天使はね今悪魔軍と戦っているんだ。今は勢力が均衡してるんだけど奴らが・・・」
「奴らが何なんだ」
「いやなんでもないよ、それより僕はこの町を襲った悪魔を倒しに行かなくちゃいけないから少しここを離れるよ。でも大丈夫多分敵は一体だしねすぐ戻ってくるからね」その言葉を残して目にも残らない速さで消えていった。
いったい何なんだ。そう思いながら俺はそこに立ち尽くしていた。




