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第2話表

アレスは困惑していた。


呆然とするクロノスにどう対応すればいいのか解らなくなったからだ。

誰かに代わってもらおうと、同僚であるプロメテウスに視線を送れば、嫌そうな表情をして、犬でも追い払うかのように「シッ、シッ!!」と小声で言いながら手を振り払っている。

ヒドイ同僚である。


アレスは仕方なく、もう一度「クロノス殿下…」と呟いてみた。


呟いてみるとクロノスがアレスの視線に合わせようと微かに身動きをした。

アレスは仕切りなおすように話し出した。


「殿下、先ほど辺りを見回していたようで、何かございましたか?」

「アレス、今の戦場を見てどう思う?」


問いたげな目で質問するクロノスを見ながら、アレスは慌てていた。


先ほど同僚のプロメテウスは「戦が膠着している」と言ったが、アレスには「膠着」しているように見えなかったし、特に変わった状況など感じられなかったからだ。

だからといってプロメテウスの意見を、そのままクロノスに答えることはアレスには出来なかった。

そのまま答えてしまえば、もしも答えの理由を聞かれてもアレスには答えの理由が解らないのだから。


一瞬にして頭の中が真っ白になってしまった。

そしてクロノスの質問には、何も考えずにただ思いついた言葉を出しただけだった。


「っは!タブナジア王国の軍は潰走にうつりつつあるかと思います!!」


言い終えた瞬間、全身から汗が噴出するのでは?と錯覚するほどに己への失態に焦っていた。


戦の方へ視線を移したクロノスを確認すると、同僚に助けを呼ぼうと視線を送るが、同僚はあさっての方向へ視線を向けたまま、目すら合わせてくれない。

頼りない同僚である。


クロノスから叱責が飛ぶのを覚悟して待ち構えていると、予想とは違う穏やかな声が聞こえてきた。


「そうか、お前の目から見ても潰走に見えるか。だったらこの潰走をほんものの潰走にさせてやらねばならんな?」

「…殿下?」


呆然とするアレスを置き去りに、クロノスは手綱を引き、馬を駆り立て、陣頭に向かいながら大声を張り出していた。


「一兵も逃がすな!!」


クロノスの号令が大気を鞭打つように響き渡り、更に声をはげました。


「メリクリウスの首を取れ!奴はタブナジア王国一の宿将。生死を問わぬ、奴の首に金貨一千枚の懸賞をかけるぞ!!」


クロノスが言い終えた瞬間、先ほどまで士気が下がるのが時間の問題かと思われていた戦場が一気に盛り上がった。

欲望をしげきされたサンドリア帝国の将兵は、膠着状態が嘘の様に、士気の上昇により怒涛のごとく進撃を始めた。

雪と泥と敵兵の屍体とを踏みつけつつ進撃を続け、タブナジア王国の軍は恐れをなして、剣を捨て、槍捨て、甲冑を脱ぎ捨てて、死に物狂いで逃げ回っている。


クロノスの横でアレスは信じられない感覚で、タブナジア王国の軍の姿を見ていた。

これが本物の潰走であり、タブナジア王国軍が敗北し、逃走し、解体していく過程を視覚化した姿であったからだった。


まさか、あの状況から一気に本当の潰走にさせるなんて…


アレス興奮を押さえ込むために、大きく息を吸い込みクロノスを見つめていた。

目に映る金髪の青年は、何かに満足したように美しく微笑む姿が見られるだけであった。

読める内容だったかな?

駄文だったかな?


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