表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/24

第1話 表

とりあえず書いてみました。


騎乗したアレスは丘の上から肌寒さを忘れるほどに興奮する自分を抑えながら、眼下に広がる光景を見ていた。

下からは戦場特有の濃い血の生臭さと、人と人とが殺し合う声や音が響き渡っている。


視線を横にずらすと豪奢な金髪の青年が自分と同じ様に眼下に広がる光景を見ているが、ただ戦の為に興奮している自分とは違い、次の指揮をとるタイミングを計っているかのように見下ろしていた。


豪奢な金髪の青年を見てアレスは軽く息を吐き出した。


自分とは5歳しか年が変わらぬのに、なぜこの青年はここまで落ち着いた態度で眼下に広がる光景をみていられるのだろうか?もしも5年前の自分がここに居れば興奮を押さえ込むことができずに、軍を指揮する立場を忘れ、馬を駆り立て、最前線で敵と剣を交えることばかりに意識が飛んでいってしまっていただろう。


アレスは当時の自分の幼さに気づかされて、心なしか恥ずかしい気持ちになった。

それを振り払おうと頭を軽くふった。




今回の戦には大した理由は無い。

自国であるサンドリア帝国と、隣国のタブナジア王国の国境線とされている川が寒気のために凍結し、氷上で両国の住民が釣り場をめぐって諍いを起こし、それが拡大し冬季の出征をしての戦争となったのだ。

戦いを強いられる兵士にとっては笑えぬ理由であるだろうし、当事者である両国の住民たちにも、冬季で得られる数少ない食料を渡したくない理由もあっただろう。

そしてサンドリア帝国もこの戦を無駄に長引かせる気はないらしく、皇帝の三番目の息子であるクロノスを総司令官に使命したのだった。


皇帝アガメムノーン3世の三男であり、この年20歳で大公の称号を持ち、若いながら初陣以来、常勝を続ける将軍として他国まで名を響かせている名将だ。




「どうしたんだアレス?」


背後から同僚のプロメテウスの声が聞こえアレスは頭をふるのを止めた。


「いや…なんでもない」

「どうせ戦を目の前にして、本当は前線に出たくてウズウズしているんだろう?」

「なっ!!何をバカなことを!!!クロノス殿下をお守りするのが今回私の仕事だ!!任せられた仕事を放棄するなど軍人にはあってはならないことだ!!」


プロメテウスは睨むアレスをニヤニヤ見つめながら馬を寄せるが、眼下に広がる光景を見ると顔を歪ませていた。

アレスはプロメテウスが顔を歪ませる理由が思いつけず、戦場を見るが先ほどと特に進展はしていなかった。


「…戦が膠着しているな、このままでは長引くかも知れんぞ?」

「それは有りえない!!先ほどからクロノス殿下は、何やらタイミングを計るかのようにずっと戦場を見つめたままなんだ!!」


プロメテウスは話を聞くと視線を横にずらし、クロノス殿下と呼ばれた豪奢な髪の青年へ視線を移した。

視線を移すと何やらソワソワした様子で辺りを見回しているクロノスの姿が目に入った。

横で騒いでいるアレスから「ずっと戦場を見続けていた」と言われただけあって違和感を感じたプロメテウスは、未だ騒いでいるアレスを肘で小突いて、クロノスの方へ顎をしゃくった。


プロメテウスが顎先でクロノスを指したことに不満を感じるも、護衛役である自分が何やら落ち着かない様子のクロノスを無視することはできなかった。

アレスは馬を寄せクロノスに話しかけた。


「クロノス殿下、どうかなさいましたか?」


声をかけるとクロノスは呆然とした様子でアレスを見つめていた。

普段とは違う反応に戸惑いを感じたアレスは、どう対応すればよいのか解らず「殿下?」と呟きながらクロノスを見つめていた。

2013/3/11 読みにくいので書き直しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ