第13話
だんだんオリジナルぽくなってるかな?
天蓋がついた広い寝台に半身をおこし、閉じていた目を開け、痛みでうずく包帯でまかれた片腕を、不快に見つめた。
先ほどの夢が、真の夢なのだろうか?ただそれだけをまた考えている自分に気づき自嘲する。
あの時はクロノスが不憫に思い「変えたいの?」などと言ったが、ゲームの数あるエンディングの中でラスボスと共に仲良く迎えたエンディングは存在しなかった。
彼と同じ道を目指せば、「どちらかが死ぬ」か「共倒れ」だ。
ラスボスと戦闘をさけたければ、クロノスは最初の選択でサンドリアに戻ってはいけなかったのだ。
サンドリア帝国で大公と言う立場で、皇宮に戻ってきた今の状況は、ラスボスとの戦闘はさけられない現状になっている。
クロノスの望むエンディングは、まるで簡単に迎えられるようで、本当は雲をつかむよううなものだ。
ゲームではなかったクロノスの望むエンディング。
彼はそれを手にするために何を思い、なんど同じ物語を繰り返したのだろうか?
大切に思い、数少ない自分を見てくれる、無条件で信頼できる者だと思っていた彼に裏切られ、そして剣を交え戦った。
普通の人ならば、裏切られた時点で憎み、怒るものを、クロノスは嘆き悲しんだ。
それから、なんども繰り返しいつかは戦うことなく共に同じ道を歩めると信じて、そして、同じ結果を繰り返し絶望する。
出口の見えない迷路に紛れ込んだ子供のように、嘆きながらも必死に出口を探し続け、ついには疲れてしまったのだろう。
光で姿は見えなかったが、見えなくても疲れ果てた彼の姿が容易に浮かぶ。
私はさまざまなルートと物語を頭の中で交差させながら、終いには自分の両手でワシャワシャと頭をかいていた。
「難関ルートよりも、難しいルートになりそうね…」
呟き終えると私は、室外に待機している存在に聞こえるように大きめの声をだしていた。
「誰かいないか」
「はい、ここにおります」
声に応じて室内に入ってくる女官の姿を見ながら、私はこれからゲームで用意された内容とは違う、エンディングを見るためにどのような行動を起し、どのように行動するべきか迷っていた。




