第12話
ちょっと更新が遅れることあります。
サンドリア帝国の伝承によれば、もともと始祖の一族は、遥か遠くにある約束の地と言われる土地でひっそりと生活をいとなんでいたという。
精霊の恩恵をうける豊饒なる大地で、人と精霊たちは共に生活をしていた。
ところが800年ほど以前に、人々は精霊の怒りを買い約束の地を追い出される形で流浪の旅に出た。
なぜ、精霊の怒りを買ったのかは伝えられていない。
そもそも、怒り人々を追い出したのが精霊なのかも語られていない。
ただ、伝承で伝えられているないようは人々は精霊の怒りを買ったとう事実だけ。
追い出された人々は、哀れんだ精霊から言われた言葉だけを信じ、北へと進んだ。
その後、一族は分裂して、一派は東へ、残った一派は北へと行進をつづけ、万年雪の高山地帯を越え、吹雪の中へ、又は断崖の底へ多くの仲間を失いながら旅を続け、ついに安住の地となる土地へとたどり着いた。
安住の地にたどり着いた当初、指導体制は約束の地に居た時代の体制がとられていた。
やがてそれに不信を持つ若者があらわれた。
ウラノスという名の若者は、この体制が本当に約束の地で取られていたものなのか?と不信を持ち族長らに疑問をぶつけた。
だが、族長らは彼の話に耳を傾けず、終いには彼に対し冤罪を押し付け、死刑をもうしわたされたが、獄を脱して完全な叛逆者となった。
この時孤立したウラノスは、約束の地から彼らを見守っていた精霊に助けられた。
彼は精霊の力を借りて様々な奇跡を巻き起こし、時には戦に勝利し、サンドリア全土の権力を手中におさめた。
これまでの「族長」の名をあらためて「神王」と称したウラノスは周辺諸国との戦いに勝利をおさめ、一代のうちに近隣で最大の国土と勢力を築き上げ、ついに「神帝」と称するように至る。
権力が確立されると、ウラノスは、彼を助けてくれた精霊に最大の感謝をこめて、北の大地を与えた。
そして彼は約束をした。
「神帝」と称することができるものは、精霊に認められたものだけしか許されぬと。
つまり、精霊に認められれば誰もが、この帝国の玉座に座ることができると公表したのだ。
こうして特異ともいうべき神帝選定の体制ができあがった。
神帝と精霊との共存は、サンドリア帝国をささえる、見えざる岩盤となった。
この制度ができたときは、それはウラノスと精霊の個人的な信頼関係を確認するものであったし、ウラノスは自らの子を精霊に認めさせる事に成功し、それは数代に渡ってつづいた。
こうして帝国と精霊とは運命を共有するものであるとされ、サンドリア帝国を巨大化させていった。
時は流れ、国は老い、権力は腐敗し、人の心は荒んでいく。
ウラノス神帝から16代を経て、アガメムノーン3世の時代になると、サンドリアの広大な土地を支える精霊の慈悲はなくなっていた。
精霊は新たに神帝を認めることもなくなり、人は神帝の下に「皇帝」と言う名の玉座を作り、精霊の存在をいつしか否定するようになっていた。




