第8話
短いです。
帝都クレママチス城の中にある皇宮の一室、白の間で私は手元にある書類を確認すると、近くに置いてある箱の中へ書類を入れた。
「今日届いた書類は、あれで最後だな?」
「はい、殿下」
「そうか…、では、箱に入っている書類は陛下に決めてもらわねばならぬものばかりだ。いつもすまないが、今日の分を陛下のもとへ届けて欲しい」
「かしこまりました」
宰相アイアコスは机の上に置かれている、箱の中にある書類を持ち出し内容の確認をした。
区別された書類のすべては、皇帝の決定がないと進められないものばかりだと納得したアイアコスは、書類を見る為に下げていた顔を上げ、私と視線が合うと軽く頷き白の間から退室した。
私は宰相が出て行った扉を見つめたまま決心して深く息をはくと、勢いよく椅子から立ち上がり外の空気を吸うために歩き出した。
皇宮内のある庭園の一つであるこの庭は、昔のとある皇后の為に作られた庭園だった。
その皇后は派手なものよりも、地味なものを好んでいたのであろうか?私がゲームで見ていた庭園とは見た目は同じでも落ち着いた雰囲気をかもし出していた。
そんな庭園の中で私は、皇宮の中は暖かいが換気のよくない石造りの建物であったため、凍てついたような冷気も快適に思われた。
その快適さが、悪意をはらみ、私の命の危険に一変するまで必要とした時間は短かった。
難関ルートに入るとまず最初に起きるイベントの一つであり、回避可能なイベントの一つでもあった。
だが、私はあえてこのイベントをわざと発生させることにした。
このイベントでしか確認することができない事情なので仕方ないことだと自分に言い聞かせながら…
もしも確認できたとしても、思ったものと違っていれば私は命を落とすことになることになってもだ。
私は覚悟していた。




