第一話:受け止めない現実
ふと思い浮かんだ案は、忘れぬうちに残せ。
と、神の宣告(!?)を受けたので書きます。
私の声や想いが、あなたの元へ届くなら、私はどれだけ幸せなのでしょう。
会いたくて、会いたくて、でもあなたの世界には私は行けない。
今日も朝を寝ずに迎えた。
暗闇と化した私の部屋が徐々に明るくなっていく。
いままで暗闇を見つめ続けていたから、朝日が眩しくて、つい目を細めてしまう。
「おはよう」
私の目の前で、ずっと微笑んでいるあなたを見て、私は手を合わせる。
ずっと微笑んでいるあなた…。悲しい時も、痛い時も黒い額の中で微笑んでいるあなた。その笑顔を見た途端、今まで悲しんでいたのに、元気が出てしまう。
愛しくてたまらなくて…。
ずっと私の隣にいると言ってくれたのに…。
あなたはもういない。
その現実が私は現実だと思いたくないの。
一生と誓った愛は、瞬く間に消えてしまった。
私の心の中には、絶望しか残っていない。
私はゆっくりと立ち上がり、洗面所に向かった。
洗面所の鏡には、絶望に取り憑かれてしまった私の青白い顔が映っている。
ああ、いやだ。
もう、この世界からいなくなりたい。
私は洗面台から剃刀を取り出し、ピンクの柄をギュッと握り、刃を手首に添える。
赤い斑点が見ぬ間に大きくなっていく。
多少のめまいが起きた。でもそれ以上の変化は起きない。
私は止血をし、洗面所に置いてある包帯を巻く。
ああ、死にたい…。
洗面所から出た私の手首には、また新たな傷跡が刻まれた。
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