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彼氏のいる幼馴染がオレに交際を申し込んできた

作者: 猫の集会
掲載日:2026/06/11

 オレには、幼馴染がいる。

 

 

 そんな幼馴染の香奈は、いつも意味不明なことをいう。

 

「昨日寝てたらさ、ふくらはぎがいきなりさ、ぷぷっ、ぷぷぷっって笑い出してさ、あしが笑うってこういうことを言うんだなぁって、夜中に勉強になったの」

 とか、言い出す。

 

 あしが笑う?

 

 違くね?

 

 部位が…おかしい。

 

 まぁ、香奈だし…

 

「あぁ、それはいい勉強だわ」

 と、訂正もせずに受け入れる。

 

 違う日は、

「わたしさ、夜の十一時になると、自動的にまぶたがとじるシステムなんだよね」

 と、得意げにいう。

 

 そして、目覚めと同時に目玉が同時開封するんだそうな。

 

 同時開封?

 

 …まぁ香奈だし。

 

 同時開脚じゃなくてなによりだ。

 

 そして、

 香奈の脳内は、楽しそうでなによりだ。

 

 

 

 

 

 あれから数年のときがすぎた。

 

 それぞれの大学へ入学して、今じゃたまにしか連絡をしていない。

 

 オレは、ずっと彼女はいない。

 

 告白してくれた人もいたりしたんだけど…

 

 なぜだろうか…

 

 香奈の笑顔がどうしても浮かんでしまうんだ。

 

 でも、香奈には彼氏がいると風の噂できいた。

 

 そうだよなぁ…

 

 香奈は、かわいいし面白いんだもんなぁ。

 

 …

 

 そんな矢先、香奈から久しぶりに連絡があり、待ち合わせすると…

 

 香奈がいきなりオレに交際を申し込んできた。

 

 とあるカフェで。

 

「え、香奈…彼氏できたんだよね?」

「あー…あははぁ」

 と、まゆを下げて笑った。

 

 香奈は、なんかあるといつもこの笑い方をするんだ。

 

「彼氏とケンカでもした?」

「ううん…」

「なら、どうしたの?」

「実は…実は…彼氏が彼氏なんだけど…彼氏じゃないっていうかね」

 

 ?

 

「なぞなぞ的なこと?」

「ううん…、ごめん。やっぱりさっき言ったこと忘れて。じゃ」

 

 香奈が席を立った。

 

 …

 

「待って」

 

 彼氏持ちの幼馴染の手を思わず握って呼びとめてしまった。

 

 ⁉︎

 

 香奈は、泣いていた。

 

「どうしたんだよ⁉︎オレが相談にのってやるから」

 

 …

 

 涙を流しながら、香奈は首を振った。

 

 そしてたぶん…

 

 首振りして酔ったっぽい。

 

「大丈夫かよ⁉︎」

 色々と…

 

「うん。大丈夫、なんか…ごめんね。じゃ、帰るね」

「そんな泣いてるやつ、帰せないだろ。とりあえずもう一度座りなよ」

 

 素直にストンと座る香奈。

 

 そして、すぐさま

「やっぱり…帰る」

 と、立ち上がった。

 

「香奈、オレ…頼りないかもだけど、なんでも相談にのるよ。どうしたっていうんだよ」

 

 …

 

「ここじゃ、聞かれるかもしれない」

 

 ?

 

 え、まさか…彼氏がつけてるってこと?

 

 じゃあ、オレの家…

 

 じゃ、まずいよな…

 

 彼氏いるのに、幼馴染の家なんか行ったら…な。

 

 ってことで、カラオケの個室に入った。

 

 入ると同時に、香奈は携帯を手にもちオレに文章を送ってきた。

 

 彼氏って言いふらしているのは、実はストーカーなんだと。

 

 ⁉︎

 

 マジかよ‼︎

 

 あんなにいつも楽しそうだった香奈を、こんな表情にさせていたのは、彼氏じゃなく…ストーカーだったなんて。

 

 でも、どうしたら撃退できるだろうか…

 

 

 相手は、元は男友達だったのだとか。

 

 オレたちは、もうすぐ大学を卒業する。

 

 香奈は、とある地方での就職が決まっているんだとか。

 

 そして、偶然にもオレもその地方で就職する。

 

 場所がなかなか近かったので、しばらくオレの部屋で、暮らさない?と、提案してみた。

 

 香奈は、うなずいた。

 

 

 

 そんな時、ストーカーから連絡が入った。

 

(今どこ?オレのかわいい彼女ちゃん♡)

 と。

 

 ストーカーは、どこにいても突如偶然現れるらしい。

 

 で、偶然だね?運命だね?といってくるんだとか。

 

 …

 

 何度も彼女じゃないと訂正しても、きいてくれないそうな。

 

 

 香奈は、優しいからなぁ…

 

 ガツンと言えたら伝わるのかもしれないけどな…

 

 でも、そんな香奈だからこその撃退法があるはずだ。

 

 …

 

 

 …

 

 うまくいくかわからないが、オレの提案を申し出てみた。

 

 

 香奈と、そいつは同じ大学だ。

 

 大学なら、人も多いしオレも紛れていても不自然じゃない。

 

 なので、とある作戦を実行した。

 

 

 

 香奈がストーカー男を呼び出し、とある言葉を放ったのだ。

 

「実は、あなたに無理矢理彼女呼ばわりされて、正直…気分が良くないし、このままじゃ友達どころか、あなたを大嫌いな思い出としか、わたしには残らない。最後は、きちんと楽しい友達として卒業したい」

 って、真顔でストーカーに言い切ったのだ。

 

 すると、ストーカー男が

「わかった。悪ふざけがすぎたね。今まで…ごめん」

 と、きちんと謝ってくれたのだ。

 

 オレは、すぐそばで二人を見守っていた。

 

 ストーカーが、ものわかりのいい人間でよかった。

 

 根はいいやつなのかもしれない。

 

 香奈は、なるべく卒業まで女友達と一緒に過ごして、無事に卒業した。

 

 そして、オレの部屋で暮らしている。

 

 あれから、ストーカー男もなんの連絡もしてこなくなったんだとか。

 

 

 なんなら、大学の友達情報によると、その数年後にその男は、結婚したらしい。

 

 

 そして、オレたちもそのまま同棲して、もうすぐ結婚いたします♡

 

 

 香奈は、あいかわらず意味不明で可愛らしいです♡

 

 

     

 おしまい♡

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