9/9
あとがき
農業大学を卒業してから、しばらく経つ。
結局、今でも私は野菜のことが好きになれない―――
……と思っていたのだが、
なぜだかトマトだけは食べられるようになった。
決して奴らにトマトを無理やり食べさせられたからではない。
絶対に違う、断言する。
多分、大人になっての味覚の変化だ。
不思議である。
せっかくなので振り返ってみると、
やはり私の短い人生の中でも、
農業大学での日々はかなり特異な経験だったと思う。
良い思い出だったかと言われると――
正直、首をかしげる。
どちらかと言えば、
「大変だった」という感想のほうが先に出てくる。
なによりエッセイを書くにあたり振り返っていたのだ――
語れる部分、語ってもいい部分が意外と少ないことに気づいた。
全寮制ならではの人間関係。
今なら首をかしげるような出来事。
笑えない事故もあった。
やっぱり農大の日常は、
世間にとっては少し異常だったのではないだろうか?
まあ、今思えば全部笑い話である(目を逸らしながら……)。
以上、
野菜嫌いが農業大学校という魔境で生き延びた話である。
☆印、いいね、ブックマークを押して貰えると励みになります!!




