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第7話 食堂があるのに食糧難な話

農業大学校の思い出として挙げられるものの一つに、

食堂のご飯がある。


どれくらい思い出に残っているかというと、

たまに卒業生に会うと、なぜか食堂の話になる。


その際に、


「イカの食感はどうだった?」

「あぁ……」


というやり取りが発生する。


あまり詳しく書くと愚痴になるので、

あとは察してほしい。


そんなわけで、

思い出に残る食事を365日提供してもらっていたのだが、

やはり農業大学生たちの胃袋には物足りない。


さて、食堂では物足りない学生たち。


一般的な人間ならば、

「コンビニに行けばいいのでは?」

と思うかもしれない。


だが流石は我が農業大学。

物理的に不可能に近い。


最寄りのコンビニまで歩いて一時間近く。

もはや遠足である。


自転車については、山の麓という立地が障害になる。

行きは車並みの速度で暴走し、

帰りは牛並みの速度で後悔しながら立ち漕ぎする。

つまり往復で寿命が縮む。


車については、

高校卒業したての学生が

車どころか人生のハンドルすら握れていない。

(ただしトラクターのハンドルはよく握っている)


つまり、

物資調達は一苦労というわけだった。


そんな「腹は減るが外に出られない」状況で役に立ったのが、加工部である。


部活の一環として、

パンやピザを作ったこともあった(頻度は多くないが)。


その際には不思議なことが起こるのだ。


我が加工部では通常数人の少数精鋭でやっているにも関わらず、

パンやピザという料理を作る際には―――不思議とスリッパの数が増えるのだ。


単なる私の数え間違えなのだろうか、それとも農大で餓死した亡霊が現れてるのだろうか……。


そんなわけで、農大は今日も平和に食糧難になっていたとさ。

めでたしめでたし。


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