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第6話 野菜嫌いは農家に向かないのだろうか?

農業大学生で野菜嫌いというのは、珍しい話ではあった。

実際、私の周りでは他にはいなかったように思う。


特に私のようにどの野菜もまんべんなく嫌いな人間は。


さて今回は、

野菜嫌いな人間が農大に行くとどうなるかを紹介しよう。


結論から言えば――

やや不便、で収まる。


例えば、当時私は果物の王様、イチゴを栽培していたが、

イチゴに関してもあまり好きではなかった。贅沢な話だが。


私とイチゴの関係はあくまで仕事上のものであり、

そこはドライに接しさせて頂いていた。


ただ苦手だからと言って、全く食べなくても問題ないのか、と言われると

答えはNOである。


イチゴの実の状態で、

全体の生育状態がある程度わかる。


みずっぽければ水やりを減らす。

逆にシャリシャリしていれば、

土の状態やパイプの詰まりを確認する。


たまに食べてみて、

「これは出荷しちゃ駄目だな」

という味のものが出ることもある。


そういうものは校内販売に回る。


つまり適度に食べて

果実の状態を味覚すら使い調査する。

それがプロの農家、である。


実際、私は在学中、

味見しなかったことで注意されたこともあった。


イチゴを食べていれば気づくことのできただろうミスがあったからだ。

水やりの時間を減らすなどで、対処のできたはずのミスだった。


ただイチゴはまだ食べることができるが、

中には完全に食べることのできない野菜もある。


やはり野菜嫌いの農家というのは仕事上難儀するのかもしれない。


ただ反面、

好きすぎると味見と称して、

出荷分まで食べる輩もいる。


当時のイチゴ担当者の間では、


イチゴを食べなくて怒られている私の隣で、

イチゴを食べすぎて怒られている人間がいた。


なかなかに珍しい光景だった。



またある日、


「あっ、今回のイチゴ美味しい」


と、

いろんな条件が重なり、

私でも二粒目を食べたいと思うイチゴができたことがあった。


そんな時は――


『今回のイチゴ、あいつが食べるほど旨い』


という、噂が流れ

謎にブランド価値がつくことがあった。


人を、

おいしさのパラメーターにするな‼



さらにもう一つ。


イチゴのパラメーターとしての役割を付けられた場合―――


「俺のイチゴも食べてくれ」

「私のトマトも評価してくれ」

「キュウリ食べろ、キュウリ」


と、野菜嫌いに評論を求めて亡者がやってくる。

だから人をリトマス紙にするな!!


結論、野菜嫌いの農大生は、

なんだかんだ不便する。

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