第2話 偉大なる功績、加工部
私の農大時代の思い出、というか偉大なる功績の一つに、
【加工部】なる部活の設立がある。
農大で栽培された作物のうち、
おおよそ三割ほどは品質上の問題から出荷できない。
それらは多くの場合、校内販売という形で消費される。
だが、農産物の生産ピーク時になると、それでも捌ききれない。
結果どうなるかというと、
泣く泣く土に埋めて廃棄である。
そんな惨状を見かねて、
私が主導で立ち上げた部活こそが【加工部】だった。
生ではすぐ傷んでしまう野菜でも、
調理・加工すれば保存性は上がる。
場合によっては、
学外への販売という消費ルートも作れる。
廃棄物は減り、
学校側は実績が増える。
完璧でウィンウィン。
まさに農作物の救世主!!
――と思われていたのだが、
この創設には裏話がある。
第一話目で書いた通り、
私は野菜が食べられない。
正確には、生の野菜が苦手だ。
トウモロコシがあるシーズンは、どうにか生き延びられる。
だが、夏が終わると……死が視野に入る。
そこで作ったのが、加工部という組織だった。
事前に缶詰、瓶詰を作っておけば、冬場の飢えを凌げる。
アリのように冬が来る前に蓄えておくという完璧な作戦だった。
我が大学では、
食料の持ち込みも、寮内での調理も禁止されていた。
そんな中、「部活で作り、備品として保管する。時々試食をする」というルールの抜け穴を突いた組織。
それが加工部だったのだ。
さて、ここまで聞くと、
すべてが成功したかのように思われて心外である。
話のオチとしては、
せっかく部活で作った加工品も、
おいしすぎて翌朝の朝食前には食べきってしまった。
どうやら私はアリではなくキリギリスだったらしい。
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