第1話
久々の投稿です。
これはふたりの物語
愛するなんて馬鹿げたことだ。さよならなんて楽なことだ。
20XX年日本の天才AI科学者が人間そっくりなAIロボットを発明した。天才科学者は自分のすべての知恵を絞り出した結晶でそのロボットを作ったあとからはすぐに世間から身を隠したと言われている。ある人が言うには殺されてしまったとか。だが彼の功績は世界全体に称えられ彼が不在の中、AI賞マーベルが彼に贈られた。だがそのAIロボットも彼が居なくなった数年後に活動を停止した。
その後日本はAI産業が他国に比べ圧倒的に発達しており、それでいて少子高齢化の先進国でもいうような国になった。そのため内閣総理大臣は「smart6次産業化」というものを発表した。日本の若者不足をAIロボットに置き換えて行くことで段階的に作業の負担を減らすほか、若者全体を別のアイデア開発の仕事を任せ、AIロボットに肉体労働をさせるというのだ。
だが、国民はそれを受け入れるはずもなく、世界で見ても比較的温厚な日本国民が各地で連日クーデターを勃発させた。流石の日本政府も折衷案でも出すと思ったがそう上手くは行かなかった。次に内閣総理大臣が姿を見せた時には、
「わが日本は現状23%ほどの土地を他国が所有している。その国たちの発言がありこの話が起こり。いまその国がなければ私達は存続することが不可能なのです。」
恥ずかしさもなく清々しい姿をしていた。彼が内閣総理大臣に任命されたあとにこれほど誇らしく発言していた日があるか。きっと彼にとって最高の1日はこの日に違いない。日本国民は受け入れがたい事実が重くのしかかるがこの時一部の日本国民は思った。このAIの魔の手から逃げ出し、人としての権威を取り戻すこと。
時を同じくして20XX年ある研究者が禁忌を犯してしまった。永遠の命を見つけてしまったのだ。永遠とはいっても不完全な不老不死だ。この背景には多くの研究者が不老不死よりも健康寿命を延ばすことを努力してきた中、彼は違った。自分の目的のためだけに全力で動くその研究者は行動を起こし目的を達成したのだ。かといって全員にこの永遠の命が適応するはずなく、日本や世界でも5人だけが永遠の命に適応したのだ。このまま行けば、全世界の人間にも適応が可能になると。その後理不尽にも連れてこられた5人を無許可で永遠の命を移植した。その後その研究者を見たものは誰もいなかった。
時は経ち21XX年……
20XX年よりも少子高齢化が進みもはやAIに頼らなければ国として存続できないほどだ。首都東京も昔から見える高層ビルも依然きれいなままだが、東京の全ての地域がAIが主に活動するため、立ち入り禁止区域となり、その周辺も一部立ち入り禁止だ。そのため皆はそれ以外の地域で暮らしており、今の時代日本の首都と言える場所は大阪になっている。また、九州と北海道では人間のほうがAIよりも多くの人数がいるが。東京はゼロ。大阪は半々と言った状況になっている。
もはやAIの統治国家といっても過言ではない。寿命が伸びただけではなく、健康寿命も伸びていったので、孤独死が問題となり、皆誰でもいいから人と触れ合いたいという承認欲求からSNSでは生きている人間の全てが一堂に会すこととなり、動物園状態だ。
皆そんなことは考える気はなかった。もちろん俺もない。俺はAIではなく人間が営んでいる、大阪にある古い行きつけの民家コーヒー店でコーヒを飲んでいた。
「まぁこのままでは大阪もどうなるか分かりませんね。風の噂ではそのうちAIが日本の各地で侵略を始めるとか……人間もいつ滅びるか分かりませんし何より……」
歳を重ね白髪似合うマスターなのだが。とんでもない早口でブツブツと持論を唱えていた。マスターの割に落ち着きがないことが気になるのだが。
「世界はたぶん滅びないですよ。いつも人間ってのはなんやかんやで耐えてきた生き物なんだ。実際なんかあれば火事場の馬鹿力だな。何より俺がいるんだ大丈夫たぜ。」
俺は自信満々に答えたが、マスター鼻で笑っていた。俺はその対応が少し癪に障ったので、足早にコーヒ店を出ることにした。
「また来るぜ〜次会った時には平和な世の中にしてやるから。」
俺は駆け足で歩みを進めた。
「お客様、お支払いをお願いします。ちょっと待って……」
マスターが声をかけた時もうそこに彼の姿はいなかった。昔の人が言うには大阪は技術の発展も相まり150年そのきれいな景観を守れているらしい。そんな話をふと思い出しつつ。街を歩き続けた。
街を歩き続けるやいなや、路地裏で一人の女性が3体の警備用ロボットに追い詰められていた。俺を見ると。
「誰か……助け……て……」
「オマエハ イマカラ ウエニ ツレテイク」
警備用ロボットが話しだした。こいつらは警備用AIロボットXJACK。50年前に普及しだした二世代前の型落ちAIだ。こいつらは3体のいるが実際には一つのAIが三つのロボットを操作しているのだ。俺は女性の前に立ち、
「お前らよく聞け、いやお前か。お前じゃ俺には勝てない今ならまだ型落ち品からアップグレードしてやるよ。」
いくらAIが発達しても蹴り技が特別得意な個体や変な武術の達人であるわけでもない。全員が一定の行動を取り続けるのだ。まぁXJACKが別行動していることがおかしいのだが。
「コイツはまず右ストレート。」
次は右足、回し蹴り、自暴自棄になり全力で殴ってくる。全てこの通りに奴は行動してきた。
「ナゼ ワタシノ コウドウガ ヨメル マサカ キサマハ……」
AIにしては相当焦っていた。これは相当な不具合だな。
「俺もそろそろ攻撃してやるよ」
俺はある一体めがけて右拳をぶつけた。ゴツっと低い音が鳴る。
「ナニモ オコラナカッタ デハ…… ワタシノロボットガ……」
俺が殴ったロボット以外の2体地面に倒れていた。慌てふためき出した。まぁ分からなくもない、行動を読まれた揚げ句、数の有利すらも奪われたのだから。俺はそのまま奴の腕を弾き飛ばし。 右足で奴の頭を消し飛ばした。そして最後の1体も活動を停止した。
「よし、上手い飯でも食って寝るか〜」
すると助けた女性が
「私の名前は天馬珠理、貴方の名前を教えて。少ししかできないかもしれないけどあなたにお礼をさせてほしいの。」
「俺!?俺の名前は柴田幾世18歳。俺はそうだな俺をあんたの家で居候させてくれ。」
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