シロノワール
序章シロノワール
こんにちは、3作品目にしてようやく自己紹介です(笑)名前は白月白夜と申します。そうなんです、デビュー作で初っ端自分の事殺したんすよね(笑)まぁ、僕の色々な感情が混ざって僕の作品というものは出来ているのかなと思っています。まぁ、そりゃ色々ありましたよ(笑)またそれは別の機会にと思っているんですが、さて今回のシロノワールという作品、そもそも皆さんシロノワール知ってます?大概の人は某喫茶店の影響で知っていると思いますが、美味しいですよねシロノワール、私白夜も甘いもので唯一大好きです。そんな、シロノワールからは想像もつかないような重い短編恋愛小説を作ってみました。僕の実体験も混ぜながらね。ま、とりあえずシロノワールでも食べながら見てください。それではシロノワール本編、どうぞ。
第1章 メープルシロップ
僕は、シロノワールが大好きだ。分厚いホットケーキの上にさくらんぼとソフトクリームが乗っていてそのうえからメープルシロップをかけるなど罪以外の何者でもないだろう。ただ、そんなシロノワールを好きになってしまった。最近は週1で食べている気がする。店に行き、コーヒーとシロノワールだけ頼んで携帯を開く。SNSを一通り見た後にあるアプリを開く。そのアプリでは小説が書ける。自分の思った事を全部そこでしか僕は出せない。だから一生懸命文字を打つ。自分がどんな人間なのかいずれ分かれるようになりたいから。
「おーい、空?」
LINEの通知が飛んできた。それは彼女だった。こんな自分にも一応恋人が居た。その子はいつも元気でポジティブ思考の自分なんかとは真逆の存在であった。この男子音水空はいつも元気がなくネガティブ思考であった。なぜ付き合えたのだろうか、それは本人がいちばんわかっていなかったらしい。小学校6年生の秋頃であっただろうか、彼が彼女に告白されたのは。何気ない授業中、5時間目理科の授業だったと思う。4人が1つのテーブルに座っていた。空の目の前には彼女が座っている。彼女の名前は彩葉と言った。そんな彼女がノートを空の目の前に置いてきた。
「空はさ、好きな人おる?」
ノートに書き込む
「ん〜、好きな人、か分かんないw」
彩葉に返した。彩葉もすぐに書き込んで渡してきた。
「私はね、空」
空は頭が真っ白になった。生まれてこの方女子に告白されたことなどなかったからだ。
「え、まじ?」
返した。彼女の返事は
「ほんとだよ」
だった。正直素直に喜べなかった。彩葉の事が好きなのは変わりないが告白というものを経験していなさすぎて空は乙女のような反応しかとることが出来なかった。彩葉が
「空は?」
と聞いてきた。空は
「彩、」
とだけ書いた。
「○○?」
と同じ漢字が入った別の女子の名前を書いてきた。分かってるくせにな、と思いながら。
「彩葉…」
と書いた。彩葉は嬉しそうだった。
「ほんと!じゃあ付き合ってください」
「は、はい」
と言った具合で2人は付き合うことになった。なんとも甘い話である。メープルシロップのように甘ったるい恋の話である。
第2章 ソフトクリーム
それから毎日が空にとっては幸せであった。ほとんど毎日一緒に帰って、帰ってからはLINEでやりとりをし、溺愛という程ではなかったがそこそこイチャついてたと思う。なんとも羨ましい限りである、リア充め。ある日空は彩葉に自分がやっているゲームをおすすめした。彩葉は始めてくれて、一緒にゲームをしてくれた。ビデオ通話なんかしながら。よく彩葉は風呂上がりに電話をかけてくる。そりゃ可愛いに決まっている。空は彩葉の髪の毛の匂いが気になって仕方なかった…ほとんど変態だ。空が旅行に行った時に彩葉にお土産を2つ程買っていったことがあった。それを次の日まで冷蔵庫に入れていたんだが、朝起きてみたら2つのうち1つが妹に食べられていて、悲しさと怒りで妹を投げ飛ばして泣かしたのもまた、いい思い出である。順風満帆な恋愛生活だったかと言われればそうではなかったかもしれない。1度、振られた事があった。
「ねぇ、空」
「ん?」
「他の人のこと好きになった、別れてください」
「…誰?」
「○○」
(誰だそれ…)
「そっか」
「じゃあもう俺死ぬね、じゃあね」
「そういうところほんと嫌い…」
「じゃあ別れないで、?」
空は心底めんどくさい男であった。
「実はね、空が私の事嫌いになったんじゃないかって思ってこんなこと言ったの、ごめんね」
「…そっか」
こんな感じで復縁した約3ヶ月後、その日のことは鮮明に覚えている。空の家で一緒に遊ぶことになって、空は彩葉の家まで迎えに行った。
「私ね、お父さんにGPS付けられてるからちゃんと門限に帰らないとお父さん迎えに来るんだ(笑)」
「そっか」
「どこ行く、?」
「コンビニ行ってご飯買いたい…」
「分かった!行こっか」
「うん」
こんな感じでコンビニに行ってご飯を買って、空の家に行った。
「先に上行ってて」
「ん、わかったぁ」
カップ麺にお湯を注いで2階に上がった。
「ここで、食べていい?」
「いいよ〜」
そこでカップ麺を食べ、食べ終えた。そこから談笑したあとお父さんが迎えに来てくれるから近くの公園まで行こうと言われついて行った。しばらくするとバイクに乗ったそれらしき人が来た。
彩葉が帰ってからLINEが飛んできた。
「親が恋愛禁止っていうから別れよ?」
「そっか…」
「また絶対付き合おうね!」
「うん」
そこから数ヶ月話さなかった。ある日ふとLINEを見ると彩葉のアイコンが目に入った。飲み物が2つ置いてあった。まさかと思って背景を見ると、新しい彼氏との写真だった。正直吐き気がした。裏切られるのがここまで辛い事だなんて。知らなかった。何も考えられなくなったらしい。淡い恋はソフトクリームのように溶けた。
最終章 食後
空は辛かった。裏切られたのに忘れることが出来ない。だから他に彼女を作った。でも忘れられない。裏切られたことを思い出して過呼吸になるようになった。人間不信になった。女の人には恐怖すら抱くようになった。中学1年の時にあんなことがあった1年後。彩葉と友達の人にあの時のことを聞いた。
「あー、空の事冷めたって言ってたよ」
「…は?」
「じゃあなんでそうやって言ってくれなかったの…」
「なんか、自分が冷めたって言って俺も冷めたって言われるのが嫌だったかららしいよ」
ふざけんなよと思った。自分の愛情が全て粉々に砕かれていた。ただ相手に振り回されるだけの恋愛だったことに気づいた。未だに別れてから一度も話をしていない。何をしているのかもよく知らない。ただもう一度だけしっかりと話をしたいとだけ願う事しか出来ない。大好きなシロノワールを食べ終わった後メープルシロップにソフトクリームが溶けていた。それを舐めるとなんとも甘ったるく残りのコーヒーで流し込んだ。恋愛というものは面白く、時に人の命を奪うものにまでなる。空も一時期本気で死のうかと悩んでいた。ただ逃げれるものが出来た。小説だ。自分の言いたいことや感情が全て出せる。そう思いながら今日も空はキーボードを打ちながら浮かび上がる文字を見つめていた。