幕間 フォレスト
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エントランス
広さは大体、2LDKぐらいで簡単に言うとマンションの一室ぐらいだと思って欲しい。
全ての廊下のフロアには赤くて高級そうなカーペットが引かれている。
辿るようにして真ん中には木製の階段があって2階に上がれるようになっている。
階段下には正面に1室だけあってそこは、木製の広くて落ち着きのある客間となっている。
1階のフロアの左エリア
従業員用の部屋で獣人たちのプライベート部屋で白尾を入れて7匹の獣人が生活する。
一つ一つの部屋に家具が当たり前のようにして完備されているので生活には困らないだろう。
1階の右エリア
リビングで全員分の椅子や机の増設も難なくできるので集合する場所も適している。
空間魔法が施されているために、外見は変わらずエリアの拡張や伸縮も行える。
その他にも広々としたダイニングキッチンはリビングの奥にある。
また、研究資料をまとめられる書斎は客間の奥の部屋にある。
そして男女が分かれた広々としたお風呂はリビングの隣のドアから脱衣所に入ることができる。
2階
それぞれのプライベートスペースとなっているが、左エリアが男子のみで右エリアが女子のみとなっている。また、ミイナやメルの部屋も自分好みにアレンジしており用事がない限りは異性のエリアは基本は立入禁止だ。
そして、もちろんそれぞれに家具の一式は完備されており自由に拡張や伸縮自在である。
空間魔法によって建物の外見は変わらないが、自分好みにカスタマイズが出来る。
僕の部屋は今までの中で一番大きくて家具も一式揃っていた。
特に問題はないように思えたのだが、机の上にあるスイッチを押すと客間につながる階段が床から現れるようになっていた。
因みにエリアは3階まで拡張できるらしい。
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一通り、家の紹介が終わると僕はリビングへと帰ってきた。
すると、テーブルにはベルのようなものが置いてあったことで聞いてみた。
「ミイナ、これは何?」
「分かりませんけど、鳴らしてみたらどうですか?」
チリーン
そうすると、リビングに建物にいる全員が流れ込むようにして集合した。
その瞬間に悟ったのは、これはリビングに全員集合する合図用のベルだったと気付いた。
とりあえず、帰還したことを一人一人に連絡するのは面倒くさかったし丁度いい。
「みんな、とりあえず帰ってきた。そして気付いているとは思うが新しい仲間を紹介する」
「リーベル」
「はい、元小妖精の町の第二王女のリーベルです。今回は、レスト様の協力により呪いの王女が脱却することが出来たので皆さんよろしくお願いします」
「パンドラはいなさそうだし、ルウ」
「はい、ルビーズ家の娘のルウです。人間には多少抵抗ありますがよろしくです」
「セイサ」
「はい、ルビーズ家の当主でルウの父親のセイサと言います。普段はフェインの研究所の助手として研究所の方にいるかと思いますのでよろしくお願いします」
「メル」
「はい、元は小妖精の町のコックでしたがレスト様が村を起こすと聞いてやってきました。料理人として自信はあるのでよろしくお願いします」
「ミイナ」
「はい、親父は大工をやっていますが私は工房のような場所で服を作る仕事をしています。ただいま製作する途中なのでできれば皆様には着て欲しいです。よろしくお願いします」
できれば、パンドラも紹介したかったが範囲上にはいなかったのだろうから仕方はない。
たぶん、引き寄せるのにも範囲があるのだろうから紹介を焦ることもないだろう。
すると、僕の近くにいたセイサが名乗りを上げた。
「レスト様、途中であったので残りの獣人たちを紹介します」
「アイは王宮の困りごとなどを解決してくれるメイドに分担させました」
「とりあえず、アイに聞けば大体のことは分かるってことか?」
「そうです」
「アヤメは家事などを担当してくれていまして、小妖精のメイドたちの教育係としても起用しています」
「ほう、では料理もできるのか?」
「人並なのでフェイン様に作ってもらった方が美味しいかと・・・」
「とりあえず、洗濯と掃除を任せることにしよう」
すると、玄関の扉の開く音がするのでパンドラが返ってきたかと思うとそこにいたのは執事長を含めて大勢のメイドさんだった。
そういえば、話し合いの結果で村に来るって言ってたような忘れていた。
僕は振り返って白尾の方に目線を向けた。
「アヤメの仕事がなくなりそうだから、新たに役職をつけてやってくれよ」
「わ、分かりました」
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改めて振り分けを行った結果、戦力の項目が追加された。
ある程度の力を有することも、村がつぶれない要因としては一理あるからだ。
どうやら、食料の確保としてミカンがそれに向かっているらしい。
そして、パンドラがそれに着いて行った為に、集まらなかったようだった。
その後に村の統括図を製作して情報を共有することになった。
その結果で、新たな村を形成することになった。
名は『フォレスト』、その日に歴史が変わり始めていたことは言うまでもないだろう。




