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2016/7/26(火)~山中総研 メイドカフェ戦略会議~

非モテオタク達がメイドカフェでガチ恋になったら同担拒否で週末戦争


【登場人物】


山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)


里美…職場のパートさん(パートさんのリーダー格)


真美…職場のパートさん


香苗…会社の後輩



~山中総研 メイドカフェ戦略会議~


私の仕事はシフト勤務となっており、特定の人といつでも会話できる状態では無い。

また、ハラスメント教育も徹底されており、プライベートな時間に女性(特に部下)へ連絡するのは

完全NGとする風潮があった。


必ずしも恵まれた状況では無かったが、運命の神様は私に見方をしてくれたのか

前回アルブムに行ってから4日後に最高のメンツが揃う。



里美さんと真美さんは二人とも30代中盤で元キャバ嬢として活躍していたが

結婚を機に勤めていたキャバクラ店を辞めて、アルバイトとして私の職場に入社してきた方。


流石に元キャバ嬢だけあって、顔立ちが整っているのもあるが仕草や服装が

妙に色気を放っていた。

※肌を露出しているわけではない


香苗さんは後輩で大学時代に(エッチじゃない)コンパニオンをしていた。

少し童顔であるがとてもかわいく、会社の採用HPに載るほどの方だ。



お昼休憩で喫煙室に行くと上記3名が先に喫煙をしていた。


『これを逃す手は無い』


「お疲れ様です」


我ながらいつも通り自然な挨拶をして入室。


「あそこのハラミ串が美味しくて」

「手で絞るレモンサワー好きなんです」


中では駅前に最近できた飲食店の話が展開されていた。


それとなく会話に混ざり、会話が落ち着いたタイミングで主題を切り出す。


「メイドカフェの女の子で気になる子がいるんですが、どうすれば仲良くなれますかね?」



普段、真面目で硬い印象を持たれがちなのが影響してか一瞬間があってから


「「「その話詳しく!」」」


やたら食い気味の回答が返ってきた。


「ここでは何なんで、仕事終わりにさっきのお店いきませんか?

 相談に乗ってもらうので、私がお金出しますよ。」


「さすが山中さん、話が早いですね!」


アルバイトの中でリーダー格であった里美さんが即答。

他2名からもOKの回答を頂けた。



~定時後~


「お疲れ様です。」


「お疲れ様でーーーす」


残業で少し遅くなりそうだったので、先にお店に入って飲み食いしてもらっていたが

既に3人とも酔っている様子。


下手するとアドバイス貰うどころか私が介抱する羽目になってしまうので

さっさと本題を切り出す。


「いきなりで恐縮ですが、昼間の件についてご相談させて頂きたく」


そうすると酒の肴にもってこいの話題とばかりに


「どうぞ、始めてください!」


…そうだよね、人の恋の悩みって蜜の味がするよね。



まずはメイドカフェのシステムや料金から説明し

うみさんに良く思われるにはどうすればいいかを質問。


「メイドカフェってそんなんだっけ?」


「形態としてはガールズバーだよね」


さすがにお詳しい。


「で、山中さんはうみちゃんとどうなりたいの?」


真美さんから核心を突いた質問が飛んでくる。


「仲良くなれればいいかなと…下心とか恋愛感情は無いです」


純粋な思いを答える。


「落としたいとか付き合いたいとかないの?」


「少なくとも今の時点では無いですね」



里美さんと真美さんが顔を合わせて宇宙人を見つけたような顔をしている。


「営業時間とか料金をもう少し詳しく教えてください」


香苗さんからの真面目な質問。


「深夜が10時から5時までで、料金がxxxxで…etc」


「ありがとうございます」



その説明が終わったタイミングで、里美さんが口を開く。


「山中さん、水商売の世界では瞬発力も大切ですが

 ある程度の金額をコンスタントに使い続けるのが重要なんです」


それを補足するように真美さんが


「山中さんが早々と限界を迎えないように、細く長く使いましょう」


「そして気に食わない相手は拳でも口でもなく伝票で殴る

 これがその世界の正義です」



とても理にかなっている上に、自身が思い描いていた戦い方ともマッチしており

ここに私のメイドカフェの戦い方が決まった。


【細く長く、気に入らない相手は伝票で殴る】


である。



その後は感謝の気持ちを込めて、高い料理を注文し皆で舌鼓を打つ。


結果、6万を超えていた伝票に驚いて思わず2度見してしまった。



最後、会計を終わらせたあとに香苗さんが寄って来て私の耳元で


「何かあればいつでも相談してくださいね」


と言ってくれた。


とても嬉しいが、職場で変な噂が立つといけないので辞めておこうと心に誓う。

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