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2016/7/22(金)~ウィッグを被った男との出会い(後半)~

非モテオタク達がメイドカフェでガチ恋になったら同担拒否で週末戦争


【登場人物】


うみ…本作のヒロイン


響…この日担当してくれたメイドさん


平野明哉…ウィッグを被った最古参の一人


イケメン…この日一緒に話した若い男性


山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)



~ウィッグを被った男との出会い(後半)~


「響きです、よろしくお願いします!

 お兄さん初めてですか?」


イケメンと明哉との挨拶が終わり着席すると前にいるメイドさんが話しかけてくる。

しかし2回目ともなると慣れたもの。


「先週初めて来て、今日は2回目です。」


自分に100点をあげたいくらい流暢に返答が出来た。


響さんは可愛らしい方であったが、話し方や立ち振る舞いは落ち着いており

他のメイドさんより少し年上に感じた。


「2回目、ありがとうございます!

 一緒にお話ししませんか?」


そうして響さんとイケメン、明哉と私の4人でトーク開始。


「僕、ダンスやってて大学時代は事務所に所属してヒーローショーにも出てたんです。

 今年就職して事務所辞めちゃったんですけど。」


初っ端からイケメンがイケメンな事を言い出した。


ある程度、経験を積んだ人間であれば相手の年齢にかかわらず話を受け入れて

賞賛に値するものであれば純粋に褒める。

私はこれが世の中を渡っていく為の必要なスキルの一つだと考えている。


ましてや小太りの私ではダンスを踊るなど夢のまた夢。

相手は10歳近く年下なのに、少し尊敬を念を抱いていた。


しかし、明哉は違った。


「僕もニ〇ニ〇動画で踊ってみた投稿してるんです。

 今度は極楽浄〇を踊る予定で云々」


自身も興味がある分野であったらしく、ダンスの話題に食いつく。

そして相手の知らない話を延々と語りだす。


初対面の人に不快な思いをさせてはいけないと一ミリも興味ないながらも

相槌や質問を入れながらその場を取り繕う。


それは私だけでなく、イケメンや響さんも同じ風に思えた。


時間とすれば30分くらいの話であったが、3時間は話を聞いていた気分になる。


なぜオタクは自分の興味のある話になると周りが見えなくなって饒舌になるのか…

これは今後解明しなければならない点だと(個人的には)考えている。





一頻り、明哉の話題が落ち着いたタイミングで響さんが会話のボールを握る。


「私、絵描きとレイヤーさんやってるんです。」


この手の話はオタクの得意分野。

どんな絵が好きか、どんなジャンルが好きか、どんなコスプレをしているのか。


そして話は盛り上がり、秋葉原で鉄板の好きなアニメの話へ。


「僕は艦〇れが好きで、特に加賀さんが好きです。」


私の好きなアニメを紹介したところ


「「私(僕)も艦〇れ好きです!」」


イケメンと響さんが食いついてきた。


明哉も艦〇れはプレイしていないが、ミリタリーものは好きとの事で

4人で戦艦や戦時中の日本の話を開始。


その界隈の知識は一般人の中ではトップクラスであると自負しているため

あまり口を挟まず会話を聞いているとフッと気になることが。



響さん、視線の8割がイケメンである。



人間、相手への興味・好意は視線や体の向きで凡そ判断がつく。

そして8割という事はイケメンをかなり意識している模様。


『やはりイケメンには勝てないのか…』


心の中で悔しさから来る涙を流しつつも表面上では笑顔を取り繕い

その後もアニメの話や響さんのオタク活動について話した。


と同時にイケメンに勝てないまでも、善戦するにはどうすればいいか

酔いと眠気で満足に働ない頭で考え


『職場の元水商売やってたバイトの人に聞いてみよう』


単純ではあるが、だからこそ効果的な答えに行き着いた。

これがなければ私はこの後、アルブムであのポジションを築けなかったかもしれない。

それくらい重要な場面であった。



そうこうしているうちに5時を迎え閉店の時間。

3人とも会計を終わらせ、初対面なのに一緒に駅まで歩く。


「楽しかったですね」


明哉が言う。


「「めちゃくちゃ楽しかったですね」」


イケメンと私も答える。


「また、お会いした際はよろしくお願いします!」



一期一会の世界でまた会う機会は無いのかもしれない。

それでも(いろんな意味で)楽しかったのは間違いなく

またこんな深夜が過ごせればいいなーという所から自然と上記の言葉が出た。



そして常磐線の旅を終え、午前8時に床に就く。

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