2016/11/11(金)~いろいろと騒がしい一日~(後半)
【登場人物】
平野明哉…ウィッグを被った最古参の一人
山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)
~いろいろと騒がしい一日~
「気を付けて帰れよー」
エレベーターに乗る我々に向かってうみさんが送った言葉。
このストレートさは好きだが、冷静に考えて従業員が発する言葉ではない。
先に帰宅した木村を除く4名で秋葉原駅へ向かう。
ユリアの件もあってイマイチ盛り上がりに欠けるトークの最中
「山中さん、この後ちょっといいですか?」
平野が私を呼び止める。
心なしかいつもより真剣な顔をしている。
「大丈夫ですよ」
面倒な話だとは察しがついたが、関係性を壊すのも嫌なので渋々了承する。
ピンクさんとまってぃを駅へ見送った後、近くの居酒屋に入る。
適当にタッチパネルでお酒とつまみを頼んで、平野が切り出す。
「うみちゃんの生誕イベント、何をするか相談しませんか?
同じプレゼントを買って行って被っても駄目ですし」
「それなら木村さんもいる方がよくないですか?」
平野の懸念点は理解できるし、正しいものだと思う。
であれば、木村も参加させないと意味が無い。
二人の関係性を知っているので、ちょっと悪戯したところもあるけど。
「木村さんは一人でやるって言ってて協力してくれなさそうです」
「なるほど…」
2人の関係は想像以上に悪いらしい。
私が1ヶ月間行かない間に何があったのか。
『…はっ!?』
木村と平野の関係性など語っていても何の生産性もない事にここで気づく。
「で、誕生日は何やるんですか?」
無駄な時間を使いたくなので単刀直入に平野に確認する。
平野は待ってました!と言わんばかりに目を輝かせながら答える。
「予算は10万円でケーキ、誕生日プレゼント、シャンパン、スタンドフラワー、手紙、色紙、チェキ撮影…etc」
「え?そんなに決めるんですか?」
呪文の様に唱えられる大まかな予算とやりたいことリスト。
今日ついてきたことをとてつもなく後悔した。
そして後悔は更に深く暗く広がっていく。
「この予算を3人で割るので1人33,000円
これを木村さんに払えるか確認してもらっていいですか?」
「え?やる事も決めてないのに?
そもそも木村さんは一人でやるんじゃなかったでしたっけ?」
ちょっと呆れた素の声で確認する。
「僕だから協力してくれないのかと。。。
山中さんだったらイケる気がします!」
知らんがな。
と言いたい心をぐっとこらえ、
「木村さんに確認はしますけど、やりたいこと決めて木村さんと調整するところからじゃないですか?」
あぁ…自分でも余計な事を言ってしまったと思う。
「じゃあ山中さん、木村さんにやりたいこと確認してもらっていいですか?」
じゃあってなんだよ。
君が聞けないから私が聞くんだぞ!?
ただ、そんな事をいう気力も無くなり
「わかりました」
と適当な回答をする。
生誕イベントは純粋にうみさんの誕生日をお祝いしたかったのに、逆に面倒くさい感情を芽生えさせた平野に怒りを覚える。
しかし何故、平野はここまでするのか?
疑問に感じて質問してみる。
「なんで生誕イベントでここまでするんですか?」
「どうせならみんな楽しいほうがいいじゃないですか!
それに、うみちゃんがお店卒業したら僕とうみちゃん付き合うから!!」
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『頭湧いてんな、こいつ』
夜蝶とつながる事が出来ると思っているのが逆にすごい。
昔のテレビ番組のセリフを借りるなら、ホームラン級の馬鹿だ。
「お、おう…」
そうして一通り話が終わったので(纏まったとは言っていない)会計を済まして駅に向かう。
「うみちゃんの生誕イベント、絶対成功させましょう!」
別れ際に平野が発した言葉。
いや、相談に付き合って面倒ごとを引き受けた私への感謝の言葉は??
別にお礼が言われたいわけじゃないけど、さすがに呆れた。
眠くて1秒でも早く帰りたい私は平野と別れ、帰りの常磐線でやる事をメモする。
私に割り振らたタスクは以下の通り。
・私を仲介として平野・木村とやる事を明確にする
・予算の調整、確認をする
本当に損な役割である。




