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2016/11/4(金)~亀裂~(後半)

【登場人物】


うみ…本作のヒロイン


ユリア…露出全振りが特徴のメイドさん


修さん…アルブム経営者の一人で頭脳明晰なビジネスマンタイプの人


HITOC…アルブムの時間帯責任者


木村拓夢…ぽっちゃり体系で最古参の一人


平野明哉…ウィッグを被った最古参の一人


山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)



~亀裂~


「お待たせしました」


そう言って修さんが出してくれたグラスを見る。


特に見た目や臭いで変わったところはなさそうだ。


「いただきます」


恐る恐る一口飲んで気づいた。


普通のウォッカとは全くの別物だという事に。


ウォッカ特有ののアルコール臭さが無く、柑橘系の爽やかなフレーバーがある。


「これ、美味しいですね!!」


驚きと喜びを修さんに伝えると


「美味しいですよね。

 これ新橋で飲んだら2000円はするんですよ」


例えが少しピンと来なかったがわかったふりをする。


そして酔った勢いそのままに通販サイトで購入してしまった。


『届いたら毎日飲んでやるぞ!!』


酒と美しい女性に弱いやつが何を言っているんだという話。



その後、HITOCさんも加わり5人でお酒の話をする。


その経緯でハーブ酒として有名なイェーガーのショットなどを御馳走になった。



そうこうしていると、アルブムの自動ドアが開く。


入ってきたのはたまに見かける眼鏡をかけた男性。


その人物を見た瞬間、ユリアが声を掛けに行く。


「ピンクさん、いらっしゃい

 席空いてないからここでもいい?」


そう言って木村の横にスペースを無理矢理作って座らせるユリア。



そのままうみさんとユリアがピンク、木村に付いてカラオケを歌い出す。


こっちはこっちで紳士たちの大人な会話を展開。

※主にお酒の話



すると誰が言い出したのか、カラオケの採点ゲームをして最下位がスピリタスを飲むという流れに。


客、コンカフェ嬢、経営側問わず参加意思を表明。


音痴なのであまり歌いたくなかったが、流れを押しとどめる事が出来ず参加してしまう。



そして第1回、アルブムカラオケ大会が開催される。


トップバッターはうみさん。


正直うみさんは歌唱力抜群で、聞いている人の心をつかむことが出来る。


点数も96点とこの日、トップのスコアをたたき出す。



その後はいろんな人が歌う。


イケメンは顔だけでなく歌唱力も素晴らしかった。


ユリアも普通にうまいが…いや、なんでもない。


修さん、敢えて点数を取りやすい選曲をするもトップを取れず。


大東山は歌っていてもイケボだ。



そうして私の番が回ってくる。


選曲は10年前に流行ったアニメのOP。


さー歌おうというタイミングでユリアが叫ぶ


『やだ、この曲!!!!!』


後から知った話だが、ユリアが付き合っていた人が好きだった曲でトラウマの一つだとか。


ぶっちゃけしったこっちゃねー。



出鼻をくじかれた状態で歌い終わって採点を待つ。


68点。


ぶっちぎりの最下位である。


『やばい、このままではスピリタスが。。。』


内心日和ながら最後の平野が歌い出す。



あれ?そういえば木村歌ってないな。


そう思って平野の歌っている最中に木村へ声を掛ける。


「木村さんは歌わないんですか?」


そうすると本当にいやそうな顔で木村が答える。


「歌わないです」


「そうなんですが…残念です」


これ以上深堀してもこっちが火傷するだけなのでさっさと退散。



そして平野の曲が終わり採点へ。


68点。



なんと平野と私で同率最下位となる。


これは延長戦が必要と修さんが言い出し、負けた方がスピリタス、勝った方がテキーラを飲むという事に。



どっちにしても胃がやられるパターンですね。



必死に選曲敷いて最下位争いの歌唱を繰り広げるも、周囲は会話に戻っており誰も聞いていない。


これ、どんな罰ゲーム。



結局、平野が破れスピリタスを飲むことに。


先に勝者の私がテキーラを飲む。


テキーラは何度か飲んだことがあるが、美味しくない。


昔の曲で骨まで溶けるような…と表現されていたが、少なくとも胃の粘膜は溶けたようだ。



次に平野がスピリタスを飲むのだが驚くほど誰も見ておらず、気づいたら隣で平野がチェイサーを飲みながら悶えていた。


この展開はあんまりだ。


興味本位で感想を聞いたところ


「食道から胃の粘膜が一気に水分を持っていかれて、焼かれているよう」


との事。


ホント、飲まなくてよかった。



結局平野は閉店までの1時間、トイレ前の洗面台に顔を突っ込んでいた。


トイレを私物化しなかったのはえらい。



そうこうしていると帰りの時間。


今まではみんなでエレベーターに乗って一緒に帰っていたが、今日は木村が先に一人で帰る。


『これは決定的な亀裂だな』


うみさんを取り巻く環境が悪いほうへ行かないか心配しながら平野、大東山、イケメンらと退店。



そういえば今日はこのまま新幹線に乗って帰省だった。


皆とは逆方向の山手線、東京品川方面ホームへ。



秋葉原から東京は10分くらいですぐに着いた。


存外早く乗車予定までまだ少し時間がある。



この時間は有意義に使おうと売店で駅弁とお酒を購入。



うっきうきで新幹線に乗ってお弁当を広げるも、臭いをかいで気持ち悪くなる。


どうやら、テキーラで胃がやられてしまった様だ。



しかしせっかく買ったお弁当を捨てるのはもったいないと無理をして胃に詰め込む。


※お酒は実家で飲みました


結局気持ち悪くて一睡もできず、約4時間の旅路を乗り越えたのであった。

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