2016/9/27(火)~シフトの裏話~
【登場人物】
うみ…本作のヒロイン
山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)
~シフトの裏話~
以前にも触れたが、私の職場はシフト制で翌月のシフトが月末に開示される。
役職者の私も例外に漏れずシフト担当の同僚が作成したシフト表に従って出勤しており、これまでは比較的周囲の意見を聞いてくれる同僚が担当していた。
しかし10月からの担当変更でワンマンで人間性に難のある同僚が担当となってしまった。
※上司が彼の人間性を矯正するために周囲の反対を押し切って変更
そして9月末、張り出されたシフト表を見て愕然とする。
4人いる役職で結婚していない2人は土日休みが0日、既婚者二人は基本土日休みとなっていたのである。
うみさんに会う機会が失われると同時に業務面でも土日は忙しく、(評価につながる)自身の仕事ができない事を意味していた。
また、前任の担当も独身(婚約者と同棲中)で土日休みが無く、婚約者と予定が合わないと嘆いていた。
「なぜ私と前任者は土日休み0なんですか?」
あまりにも理不尽過ぎる内容に持ち前の正義感を前面に押し出しシフト担当の同僚に食って掛かる。
「そんなに土日休み必要ですか?
子供いる既婚者が土日休むべきではないですか?」
ある程度、想定の範囲内の返答。
口調は丁寧だが相手の顔は紅潮しており、明らかにイラついているのがわかる。
「人間として生活を営む中で土日休みが不要というのはありえないと思います。
友人と遊んだり、ライブ(行かないけど)やイベントごとなど土日でなければできない事も多々あります。
また、業務面でも現場フォローの時間が違い、作業時間に偏りが発生します。」
うみさんに会いたい一心でそれっぽい事を言ってみる。
職場ではふざけたイメージの強い私もこの時ばかりは感情が抑揚となって出ていたと思う。
「遊びたいから休みが欲しいっていう事でいいですか?」
相変わらず紅潮した顔で、私の主張の核心をついてくる。
「遊びたいから月に1,2回、土日休みが欲しいって問題ありますか?
逆に既婚者は土日休みにするなんて就業規則には載ってないですよね?」
元々、シフト畑を6年間歩いてきたので就業規則は概ね記憶しており、これに論理的な回答が出来るのか試すように聞いてみる。
「担当の私が考えたのに文句あるんですか!?
そもそも土日休みに関して就業規則に規定はないから私の考えが全てですよね!?」
相手は理論もくそもなく怒鳴りだし、思わず苦笑いする私。
「なんで笑ってんだよ(怒)」
その表情で更にイラつく同僚。
このまま一戦始まるのでは?というタイミングで上司が鼻歌交じりに事務所へ入ってくる。
と同時にただならぬ空気を感じ取ったのか、私とシフト担当者へ質問が投げかけられる。
「なにかあったの?」
軽く概要を話すると上司は二人に対して場所を指定して着席するよう指示し、その間に椅子を持ってきて上司が腰掛ける。
「おちついてもう一回最初から説明してくれ」
事の発端は私が説明し、ここまで熱くなってしまった原因をシフト担当者が開設解説する。
「そんな事で熱くならずに仕事で熱くなれよ…」
明らかに呆れた声でど正論をはく上司。
「シフト担当者は考えが極端すぎるから11月のシフトから皆に満遍なく振り分けるように。」
「山中はおかしいと思ったら、まず私に報告してほしかった。
役職者が言い合いをしているところ他の人が見たらどう思う?」
仰る通りで返す言葉がでない。
二人して上司に謝罪し、一件落着となった。
「あんなことで熱くなってしまって申し訳ございませんでした。」
この後、上司と一緒に喫煙室に行き、お手数おかけしたことを再度謝罪する。
「あの同僚をうまく使いこなせないあたり、山中はまだまだだな。」
上司の顔と口調は笑っていたが、腹の中の本音の部分だと悟るのに時間はかからなかった。
「一層、精進いたします。」
この言葉を発するのが精いっぱいというありさま。
しかしこれで11月以降の土日休みは最低限確保できたので良しとしよう。
次うみさんに会えるのは11月だから1ヶ月以上会えないのか…
そう思いながらうみさんのSNSを見るとまさかの出勤情報。
『9/29(木)22:00~』
翌日が休みなので、朝までいられる!!
その際に1ヶ月以上、会えないことをどう伝えるか考えながらその日を終えた。




