2016/7/15(金)~秋葉原、夏の夜と出会い (後半)~
非モテオタク達がメイドカフェでガチ恋になったら同担拒否で週末戦争
【登場人物】
うみ…本作のヒロイン
山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)
~秋葉原、夏の夜と出会い (後半)~
その後、特に大きな出来事も無くダラダラと会話して閉店時間の5時を迎える。
メイドさんが順にお客さんの会計を初めており、私は幼虫時代のセミの様に
会計が終わるまで待っているだけの状態であった。
『まースロットで勝ってたし、こんな日もいいか…』
睡魔が襲ってきて鈍くなった頭の中で無駄に自身への感想を述べていた時
とある女性の声が私の耳に飛び込んでくる。
「始発の時間になったから帰ります。」
うみさんの声であった。
『お、女の子だったんだ!????!!!?!?』
今日…いや、今年一の衝撃。
営業中はBGMが大音量で流れており、周りも会話をしているため
うみさんの声をうまく聞き取れていなかった様だ。
改めて、女性と認識してしっかりと顔面を拝見すると
ショートカットで切れ長の目、整った鼻と小さい口の
好きな人には突き刺さる美女であった。
人間の脳は、どうやら衝撃的な事があると他の事は入ってこない作りになっているらしい。
その後、誰とどの様なやり取りをしたか全く覚えておらず
記憶にあるのは、うみさんの事を脳内で反芻しながら帰宅の途に就き
気づけば北関東主要都市の自宅アパートに到着していた事だけ。
『まじめで美しいうみさん、お話してみたいな…』
比較的現実主義な私に取って妥当な願望を抱きつつ
午前8時ごろ、眠りについた。
これが私のメイドカフェ最初の1日であった。