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2016/8/13(土)~メイド(コンセプト)カフェの遊び方(前半)~

【登場人物】


うみ…本作のヒロイン


木村拓夢…ぽっちゃり体系で最古参の一人


平野明哉…ウィッグを被った最古参の一人


山中義昭…最古参で最年長(そして筆者のモデル)



~メイド(コンセプト)カフェの遊び方(前半)~



うみさんと出会って1ヶ月、私の生活の中心はアルブムに通ってうみさんに会う事となり

また、副産物として横(客同士)のつながりも芽生え始めていた。


平野や木村はもちろんの事。

ゴルゴさんやイケメンともSNSを交換しており、アルブムに行く予定や

完全にアルブムとは別のところに遊びに行く算段などもしていた。


現に隣の市に住んでいたイケメンとは冬になってから海鮮料理を食べに行く約束をしていたほどだ。


アルブムはメイドさんがオムライスにハートマークを描いてくれて、それを


『萌え萌え~~』


と一人で黙々と食べる環境では無かったのだ。


無論、好みの問題はあって他のお客さんと話すのが嫌な人もいるだろうし

もっと静かな店の方が好きな人もいるだろう。


今でも推しが自分の卓につかないと不機嫌になる客を見かけるし

よくわからない琴線に触れたらしく、急に変える客もいる。


色々なお店に通って、自分に合ったお店を見つける。

それがこの街の楽しみ方なのかも知れない。




ある8月中盤の金曜日。


直前にシフト変更が発生し、うみさんに会いに行く機会を得る。



家から駅までが2キロ、そこから秋葉原まで電車で1時間20分。

普通の人からすれば、なぜそんな遠いところに通うのか疑問を持たれる距離でも

私からすれば天国に向かう階段の様であった。(例え…)


家を出る前の準備は既にルーティーンワーク化されており一分の無駄もない。


それは最寄り駅に行くのにも当てはまって…いなかった。


自転車を所持しておらず、飲んで帰ってくるので車はつかえない。

歩きは2キロと遠く酔っていると辛い。


という事でバスを使っていたのだが、バスは本当に時刻表通りに来ない。


今日も安定の25分待ちを食らい、最寄り駅へ向かった。

※1週回って次のダイヤでは?と思ってしまう



結果として本来乗る予定であった電車を1本逃し、次の電車を待つ。

そしてその電車が点検で遅延するという不幸に見舞われる。


『災難だな』



至極当たり前の事を考えながら遅れて到着した電車に乗り込み

窓際に立って田舎の夜景を眺める。


そこに広がっていた光景は田園風景の向こうに都市や工業地帯があり

とても幻想的なものであったと記憶している。


この景色も、うみさんと出会っていなければ見る事は無かったであろう。


柄にもなく、少し感傷的な気分に浸る。



そして本来の予定時間よりも1時間遅れで秋葉原に到着。


そういえば朝から何も食べていなかったので、お腹がとても空いていた。


22時前の秋葉原をグルっと回ったが、めぼしい店舗が空いておらず

結局ハンバーガーチェーン店で済ます。



『出撃の頃合いか…』


心の中のほら貝を吹かし、気持ちは直江兼続であったが体は正直。

ハンバーガーを一気に食べたのでお腹が痛くなってくる。


時刻は22時30分、いろいろギリギリ。


ダッシュでアルブム最寄りのパチンコ屋さんへ駆け込み用を足す。


絶望の淵から帰還し、時計を見るとすでに23時前であった。


おかしい、21時には到着して美味しいもの食べて22時にはお店へ予定だったのに…



過ぎたことを悔やんでも仕方ないので、パチンコ屋さんに心の中でお礼をしつつ

アルブムに向かう。



いつもの通りを足早に歩く。

いつものエレベーターを昇る。


そしていつもの聞き慣れた入店音。


「いらっしゃいませー!」


やった、今日もうみさんのお出迎えだ(ハート)


「山中、いらっしゃい」


しかも名前を憶えてくれたようだ。


「こんばんは…」


紳士なイメージを付かせるために少し控えめの挨拶をする。


「そんなキャラだっけ?(苦笑)」


案の定、うみさんに笑われつつ席へ案内される。



そしていつもの窓際席に着いて気づいた。

今日は木村しか来ていない。



「あれ?平野は?」


何も考えず純粋にうみさんに聞くと


「他のコンカフェに行ってから来るって」

※コンカフェとはコンセプトカフェの略

 メイドカフェもコンカフェの一種


ふーん、なるほど。

そんな遊び方もあるのか。


平野の遊び方を少し掘り下げて聞いてみる。

それが今日の目標となった。

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