木枯らしと潮風
海風が頬を撫でる
初めて叫んだあの日から
気づいたら、今此処
幾度となく見上げた青
鱗雲を連れて空が降りてくる
心を分けあって、言葉を分けあった
阿吽の呼吸なんて誰が言ったのか
足跡がさざ波に攫われる
あなたとさえずっと分かり合えない
巻き上げた潮風に前が滲む
心を点々と残して
街灯が肩を照らす
静かな車内でたゆたう
消える紫煙、今此処
忘れるほど零した息
気だるさを連れて夜が更けていく
思考を掛け合って、日々を掛け合った
いつかきっとなんて何で思ったか
耳奥にさざ波が聞こえる
あなたでさえずっと分かり合えない
この重力に繋がれてる限り
心を繋がない限り
手を取りあったあの日に
無垢だったあの頃に
幻に映った優しい夢
もう目が覚める
見慣れた後ろ姿が映る
あなたときっとずっと分かり合えない
それさえも愛おしんでいこう
この手を離さない限り
この手を離さない限り