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Knight of Ace  作者: 赤城 奏
8/10

第八話 Aの不安と仲間の思い

国に戻ったミツルギ達はすぐに総司令官に報告し、月食のための準備を始めた。

城の中では騎士達が慌ただしく走り回っていた。武器の補填や月食が起きた時の対処、出現するジョーカーの対処、それらを同時に行っていた。

そのため、準備を終えたのは帰国して五日目の夜だった。次の日はジョーカーが出現しない以外は休暇となった。

          ***

その日の夜、ミツルギは自室にいた。準備を終え解散となった後、各自何人かで騒いだり、部屋に戻って寝ているものと様々だった。

「これは確か、異変が始まった頃のものか。」

ミツルギは部屋で大量の手紙を見ていた。その手紙は今までシンラ達にもらったものだ。一つ一つ封を開けて手紙を読むミツルギの顔は懐古以外に別の影が指していた。

コンコンッ

そんな時、誰かがミツルギの部屋を訪ねてきた。

「ミツルギ、入るぞ。」

「オウガか。」

部屋に入ってきたのはオウガだった。オウガは椅子に座るミツルギの横によって、机の上のものを見た。

「何してたんだ?」

「いや。少し、手紙の整理をしていた。」

ミツルギは先程まで見ていた手紙をしまった。オウガは手紙をしまうミツルギの顔を横目で見ると顔をしかめた。

「ミツルギ。お前、まだ何か隠してんだろ。」

ミツルギは勢いよく顔を上げた。目を見開いてオウガを見ると、オウガは真っ直ぐにミツルギを見ていた。その目に気圧されてかミツルギは俯いた。

「やっぱりか。」

その反応に確信を持ったオウガは軽く目を細めた。そして目の前で顔を伏せ、震えるほど強く手を握るミツルギを見据えたままオウガは続けた。

「その様子だと、壁画のことか。」

「…どうして、そう思ったんだ。」

声を震わせてミツルギは言った。そんな彼にオウガは苦笑を漏らした。

「そんなに怯えんなよ。単にあの時、封印のことについて話す時、お前らが一瞬暗い顔してたから何かあると思っただけだ。」

肩をすくめたオウガにミツルギは少しだけ顔を上げたが、再度俯いてしまった。

そんな彼にオウガは真剣な表情をして言った。

「ミツルギ。俺たちはお前らみたいに役の第一位を使えないから、一緒に封印を行うことはできない。」

「、あぁ「だが。」

震えた声で肯定しようとしたのをオウガは無理やり遮った。

「だが、それでも俺たちは、お前の仲間だ。」

「!」

諭すように言ったオウガの言葉にミツルギは顔を上げた。目の前には優しい笑みを浮かべるオウガがいた。

何かを言おうとするミツルギだが、うまく言葉にできず何度も口を開閉する。それでも何かを言おうとする彼の顔にはもう暗い影は指していなかった。

それを見て取ったオウガは部屋を出て行こうと踵を返した。

「オウガ。」

離れていくオウガの背に、ミツルギは声をかけた。オウガは振り返ることはなかったが、背を向けたまま足を止めた。

「…必ず、後で話す。だから、それまで待っていてくれ。」

「!」

オウガの背を見て真っ直ぐにミツルギは言った。それを聞いたオウガは軽く手を振って再度歩を進め、部屋を出て行った。

その顔には小さな笑みを浮かべていた。

同じ頃、シンラは城の中庭のベンチで空を見上げていた。彼女の方はその日の昼間に終わっており、同じように騎士達には一日休暇となっていた。

シンラはそこで長時間空を眺めていた。だが、晴れ渡った夜空と対照的に、その表情は暗いものだった。

「こんな夜中にそんなとこいたら冷えるぞ。」

そんな時、シンラの後ろか声がかかった。シンラは軽く目を見開き、後ろを振り返った。

振り向いた先には苛立ちを隠すことなく佇むマサミヤがいた。

「マサミヤか。」

マサミヤは振り向いたシンラの表情を見てさらに顔をしかめた。

「ちっ、なんて顔してやがる。」

その表情に影が指しているのを見てとったマサミヤは小さく舌打ちをして呟いた。その呟きはシンラに聞こえていなかったのか、彼女は再度空を見上げた。

そのな彼女の様子にマサミヤはためいきをついた。マサミヤはシンラの座るベンチの横に立つと、中庭に目を向けた。

「お前ら、本当はまだ何か隠してんだろ。」

「…何故、そう思う。」

少しだけ間をおいて返された言葉に、中庭に目を向けたままマサミヤは言った。

「あの話をしている時、一瞬だけ顔をしかめてんのが見えたんだよ。お前ら四人が、今のお前みたいな顔してんのがな。」

そう言って、マサミヤは横目でシンラを見た。シンラは小さくそうかとこぼすと、自嘲の笑みを浮かべた。それにまた舌打ちすると大きく息を吐いて怒りを鎮め、また中庭を見た。

「お前らが何を思ってて、何を隠してんのかは知らねぇが。」

マサミヤは一度言葉を区切った。それにシンラは見上げていた顔をマサミヤに向けた。マサミヤは中庭に向けていた顔をシンラに向けた。

「俺たちはお前の仲間だ。だから、お前らだけで背負ってんじゃねぇよ。」

「!」

シンラは目を見開いた。その反応にマサミヤは苦笑をこぼした。

「ったく、ちったぁ俺らを頼りやがれ。」

そう言ってマサミヤは中庭を出て行こうとした。

「マサミヤ。」

ベンチから立ち上がったシンラは彼を呼び止めた。マサミヤは半身だけを振り向いた。

「お前達は私の仲間だ。だから、もしもの時は、遠慮なく頼らせてもらう。」

そう言ったシンラの顔はいつものごとく凛としていた。それを見たマサミヤは小さな笑みを残して中庭を出て行った。

マサミヤを見送ったシンラは頭上の月を見上げた。その瞳は月の光を反射して光っているようだった。

同じ頃、ザクロは図書館にいた。彼の方もその日のうちに準備を全て整えていた。

ザクロは図書館でジョーカーのことを調べていた。彼の周りにはいくつもの本の山があった。だが、彼の手元にある本は一向にページが進んでいなかった。

彼は手元の本を見ておらず、何処か遠くへ意識を飛ばしていた。その表情はミツルギ達同様暗かった。

「まだ調べ物してたのか。」

そんな彼の横から人が近づいてきた。その言葉に顔を上げたザクロは声のした方へ顔を向けた。そちらを見たザクロは軽く目を見開いた。

「珍しいじゃん、オウキがここに来るなんて。」

ザクロがふざけた様に言った。それにオウキは顔をしかめた。

「本なんか読むよりも体を動かしたほうが有意義なだけだ。」

ため息をついてそう返したオウキは、目を細めてザクロを見据えた。

「で、お前は一体何を隠してんだ。」

その言葉に一瞬だけザクロの表情に影が指した。だがすぐに飄々とした様子で肩をすくめた。

「僕が隠し事してるなんていつものことでしょ。今更何言っちゃってんのよ。」

いつものことだと言うザクロにオウキが流されることはなかった。

「お前、と言うよりお前らが隠してることはなんだ。ジョーカーのことに関係してんだろ。」

ザクロの言葉を無視して言われたことに初めは仕方がないと言いたげに肩をすくめたが、続けて言われた言葉にザクロは隠すことをやめた。

「何で、そう思ったわけ?」

オウキから顔を背け、いつもとは違う小さな声でザクロは尋ねた。その様子にオウキは軽く目を見張った。

「…壁画のことを話している間、お前らが隠し事をしてんのは分かった。ただ、何の事についてなのかは分からなかったからカマかけただけだ。」

その言葉を聞いてザクロは自嘲の笑みを浮かべた。

「ちぇ、隠し事は僕の特技だったのに。」

「そんな変な特技なんて持ってんじゃねぇよ。ったく。」

そう言ってオウガは背を向けた。オウガの行動にザクロは拍子抜けした様な表情をした。

「あれ、問いたださないの?」

いつものザクロらしからぬその言葉に、オウキは大きくため息をついて振り返った。

「仲間にそんなことするわけねぇだろ。お前が言うまで待ってるよ。」

その言葉にザクロは目を見開いた。そんなザクロを残し、オウキはさっさと部屋を出て行った。部屋を出る際小さく聴こえたサンキューという言葉に、オウキは小さく笑みを漏らした。

同じ頃、ハヅキは訓練場で一人、剣を振るっていた。彼の方も早くに準備を終えていた様だった。

「ふっ、はぁっ。」

気合いのこもった声とは違い、その太刀は無茶苦茶だった。

「はっ、」

剣を大きく振り抜いたところを下から別の剣で掬われた。思わぬ所からの攻撃にハヅキは反応できず、剣を大きく後ろへ飛ばしてしまった。

「こんな時まで訓練か。」

ハヅキの正面、剣を飛ばした犯人からかかった言葉に、飛ばされた剣を見ていたハヅキは顔を正面に向けた。

「タイコウ、さん。」

正面を見たハヅキは目を見開いてつぶやく様に名を呼んだ。剣を飛ばした犯人であるタイコウは、名を呼んだハヅキの表情に影が指していることを見て取り、ため息をついた。

「これからは休める機会なんて少ないんだ。休める時に休んでおけ。」

剣を鞘に収めながら言った言葉に、言われたハヅキは俯いてしまった。そんなハヅキの様子にタイコウはまたため息をついた。

「迷いがあるまま剣を振っても、怪我をするだけだ。」

その言葉にハヅキは勢いよく顔を上げた。目を見開くハヅキは小さく何で、とこぼした。

それを聞き取ったタイコウは片手を腰に当てて言った。

「お前達があの時何かを隠しているのは分かってる。それが良くない事だってのも、お前を見ていたら分かるさ。」

その言葉にハヅキは体を震わせた。怯えた様子を見せるハヅキにタイコウは近づいた。

ポンッ

「ぇ?」

タイコウはハヅキの頭を撫でた。それに驚いたハヅキは頭に手を乗せたままタイコウを見上げた。そこには優しい笑みをしたタイコウがいた。

「変に悩んでんなよ。俺たちはお前の仲間なんだからな。」

そう言ってタイコウはハヅキの頭から手を退けて、訓練場を出て行こうとした。

「タイコウさん!」

呼び止めたハヅキに背を向けたままタイコウは言った。

「怪我しそうだったから止めにきただけだ。もう迷いの剣なんて振るうなよ。」

そのままタイコウは出て言った。ハヅキは床に刺さったままだった剣を抜いた。

「ありがとうございます、タイコウさん。」

そう言ったハヅキの顔にもう暗い影はなかった。

          ***

そして、約束の一週間後。彼らは再びスピリット王国に集まった。

集まってすぐ、何か進展があったかどうか話し合った。

「俺たちの方じゃ、そこまで変化はねぇな。」

「えぇ。強いて言うなら、変異を起こすジョーカーの出現数が増えたことぐらいです。」

オウガとミコトが代表して言った。続く様にコウキとマサミヤが言った。

「私たちの方もそちらと同じです。」

「ただ、こっちは象まで変異を起こし始めやがった。今まで兵と后だけだったのに。」

マサミヤが舌打ちして言った。その内容に話を聞いたもの達も眉を寄せた。

「ディアマンテの方はどうなんですか?」

ヒロキがミカド達に尋ねた。ミカドはヒロキの問いに肩をすくめた。

「どうもこうもないよ。僕らもおんなじさ。」

「私たちの方でも変異を起こしたジョーカー・象の出現数の増加、同じく城も変異を起こし始めました。」

「これまで凶暴性が増しただけの兵と変異した象だけで手一杯だったのに。」

ノブタカが現状を説明した。その横でシュウトが悔しそうに俯いた。

「僕たちの方も今まで起こっていなかったジョーカーの出現数増加が起こり始めました。」

「これまでは凶暴性が増しただけの兵と、変異を起こした兵と象が今までと変わらない数だけ出現していたから何とかなっていたんだが、そうも言ってられなくなってきた。」

タイコウとマサトがクラーバを代表して言った。そう言った二人は顔を歪めていた。

すべての国の現状を確認したところでミコトが代表して言った。

「それで、あれ以降何か分かった事はありますか?」

ミコトが全員を見回したが大半のものが首を横に振った。

「いいえ、これと言った事は何も。」

全員手詰まり状態だった。あれこれ考えてはみるものの、いい案が出る事はなかった。

「仕方がない。一度休憩にしよう。」

オウガがそう言うと全員が肩を落とした。

「そうですね。これ以上やっても時間の無駄でしょうから。」

マサトが同意し、頭を使うことが苦手なシュウト達が座り込んだ。それに何人かが苦笑を漏らし、それぞれ解散していった。

そんな時、ミツルギがシンラに近づいた。

「シンラ。」

「どうしたミツルギ。」

「あの事について、話がしたい。二人も呼んで。」

「分かった。」

ミツルギの言葉にシンラは頷き、二人はザクロとハヅキを呼んで仲間の元にまで声が届かないところまで離れた。

それに彼らが何かを隠している事に気づいていたもの達は、何も言わず他の者達を集めた。

ミツルギ達は真剣な表情で話していた。だが、いつもより重い空気を纏っていた。

「…やはり、俺たちのものも同じか。」

落ち込んだ、それでも予想はついていたと言う様にミツルギは言った。

「時間がなかったから簡単にしか見れなかったけど、当時の‘‘アレ’’も僕たちのものと同じくらいの威力だったとみて間違いないと思うよ。」

険しい顔でザクロが言った。彼はあれから何度か神殿を訪れていた。それでも、国の警備強化の方が忙しく、あまり深くまで調べる事はできなかった。

「ならば、あの方法しかないと言うことか。」

もたらされた事実にシンラは顔をうつむけた。ミツルギ達も顔をしかめていた。

そんな時、ハヅキはタイコウの言葉を思い出した。ハヅキは顔を上げ、三人を見た。

「あ、あの。」

三人はハヅキの方を見た。

「この事、マサトさん達に言っても、大丈夫でしょうか。」

ハヅキは不安げに言った。それに三人は顔を見合わせ苦笑を漏らした。

「ハヅキ、それは俺たちも考えていた。」

「皆さんも?」

三人は同時に頷いた。

「お前もだと思うが、私はあいつらに『頼れ』と言われた。だから、いつかはこの事をあいつらに言おうと思っている。」

シンラが柔らかい口調で言った。彼女の後ろでミツルギとザクロも同意する様に頷いた。

「僕の方も、またあいつらに『仲間だ』って言われちゃったしね。」

「俺も『待っていろ』と言ってしまったしな。」

ザクロが肩をすくめて苦笑し、同じ様にミツルギも笑った。

三人の言葉にハヅキも肩の力を抜いた。

「僕も、タイコウさんに頭撫でられました。」

嬉しそうに言ったハヅキに、三人も彼の頭を代わる代わる撫でた。

一方、オウガ達の方でもミツルギ達のことを話していた。

「あいつらが何か隠してる⁉︎」

「バカ、声がデカイ!」

叫んでしまったタケルの頭をマサミヤが乱暴に叩いた。叩かれたタケルは痛みで涙目になっていた。

それを見た何人かは呆れていた。

「それにしても、彼らが隠している事とは、一体何なのでしょう?」

ミコトが考えを巡らせながらそう言った。それを聞いて全員が考え出した。

「ジョーカーの強さについてとか?」

アキノリが思いついたことを言った。それにマサトが首を横に振った。

「それは違うでしょう。ジョーカーの強さについては月食が原因であると分かっていますし、もし私たちにそのことを隠していたとしても状況が悪くなるだけです。」

マサトの意見に全員が同意した。否定されたアキノリもまた考え始めた。

「だが、ジョーカーについて何か隠していると言うのはあたりだろうな。」

「だろうな。現状で隠している事なんてそれくらいだ。」

オウガの言葉にタイコウも頷いた。それに何人かが反論した。

「待って下さい。さっき『ジョーカーの強さについては隠す必要なんて無い』って言ってたじゃないですか。」

「強さじゃなくてジョーカーの正体。あとその封印方法についての方だろうな。」

シュウトが理解出来ないとばかりに言った言葉にマサミヤが訂正を入れた。それに信じられないと言った様にシュウトは目を見開いた。他のもの達も同じ様に驚いていたり、目を細めて訝しんでいた。

その反応に予想どうりだなとマサミヤは思った。オウガがマサミヤの前に出て言った。

「だが、アイツらが何を隠しているかは分からないが、それでもアイツらが言ってくれるのを待つしかないだろうな。」

その言葉に全員が当たり前だと返した。仲間に無理やり聞くなんてとタケルやアキノリが叫んだがそれをまた声がデカイとマサミヤやトウヤに叱られていた。

彼らがそう話している時、下級騎士の一人が部屋に駆け込んできた。

「たっ、大変です!森の東に凶暴性が増したジョーカーが大量に出現しました!」

その言葉を聞いて全員が部屋を飛び出した。

          ***

全員が駆けつけたそこには驚くべき光景があった。

そこには凶暴性が増した城と像が五体ずつと、変異し凶々しくなった后と王がいた。

全員すぐさま剣を構えたがすぐに仕掛けることはしなかった。いや、出来なかった。

「まさか、また王が出てくるとはな。」

オウキが茶化す様に言ったが、声の緊張は隠せていなかった。

他のもの達も身構えてはいるがどう仕掛けたものかと迷っていた。

そんな中、ミツルギ達だけは何かを堪える様に剣を握る手に力を込めていた。それに気づいたオウガ達はミツルギ達を横目で見た。

「仕方ない。ミツルギ、お前達は王を頼む。」

『‼︎』

「俺たちは他のジョーカーを王から引き離すぞ。」

『了解。』

そう言って、ミツルギ達四人を除いた全員が、王以外のジョーカーに向かって行った。それを止めようとミツルギ達は声をあげた。

「なっ⁉︎無茶だ、待て!」

静止の声を上げる四人だが、彼らはそのまま飛び出して行った。

「王のことは頼みます。」

「マサトさん!」

マサトがハヅキに、

「A様が一回倒した相手に負けないでよ。」

「ミカド。」

ミカドがザクロに、

「微力ですが、他のジョーカーは任せて下さい。」

「コウキ!」

コウキがシンラに、

「言っただろ、俺たちは仲間だって。俺たちのことは心配すんなよ。」

「オウガ。」

オウガがミツルギにそう言った。

オウガ達は数人ずつに別れ、それぞれジョーカーと戦った。ジョーカーを囲み、互いをカバーしながら少しずつ王から離して行った。

そんなオウガ達を見て、ミツルギ達は頷き合った。

「行くぞ。

『あぁ!』

ミツルギ達はツカサとノブタカに爪を振り下ろそうとしたのを彼らの前に出て防いだ。

「!皆さん。」

「王は任せろ。」

「その間、そっちは任せたよ。」

ミツルギとザクロがそう言って王を押し返した。たまらず後ろへたたらを踏んだ王は追撃として左右の脇腹にシンラとハヅキの攻撃を受け後ろへ倒れた。

起き上がろうとする王をミツルギ達は取り囲んだ。上体を起こし、腕を振り回したが全て避けられ、背後から反撃を食らった。背後を襲ったザクロに意識がいったところを左右からミツルギとハヅキが斬りかかった。

防戦一方の王に反撃を与える隙はなく、ミツルギ達は揃って剣を顔の正面に横に構えた。

『ロイヤルストレートフラッシュ』

四人の剣は濃い赤色の光を纏った。

王を取り囲む四人は一斉に王に斬りかかった。四人の剣を受けた王は赤い光に包まれて消滅した。

王が消滅するのを見届けた四人は一瞬だけ目を伏せた。

「…。さて、アイツらの手助けでもしますか。」

そう言ってザクロが振り返った。いつもは言わないことをザクロが言ったことに、ミツルギ達は顔を見合わせて吹き出した。それにザクロは顔を赤くしてそっぽを向いた。

「あぁ。だが、その必要もなさそうだがな。」

ミツルギの言葉にそらしていた顔を向けたザクロは仲間達の方を向いて肩をすくめた。彼らの方も役を発動し、今にも斬りかからんとするところだった。

そしてすべてのジョーカーを倒して、彼らは城に戻って行った。

          ***

部屋に戻った彼らにミツルギ達は覚悟を決めた顔で言った。

「お前達に、話したい事がある。」

それに全員が彼らを見た。仲間達が自分たちを信頼しているのを見てとったミツルギ達は内心で安心した。

「俺たちがあの時言えなかった事。封印のリスクと、ジョーカーの‘‘真実’’について。」

部屋にミツルギの声が響いた。

月食が起こるまで後七日ー。

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