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「ルイ、ギルド長、ごめん。私たちはその依頼を受けることはできない。」
「? なぜだ? 報酬が足りないか?ならこれならどうだ?」
そう言ってルイは指を5本出した。どうやら私が受けない理由は報酬が少ないからだと思っているみたいだ。
「ルイ、お金の問題じゃないの。私たちはあまり人と関わりたくないの。だから無理なの。カイザルさん、話はこれだけですか?なら私たちは帰ります。」
奏は静かに言って扉に向かった。
「わかった。それじゃあカナデ、愛し子らしき人物を見つけたら教えてくれ。俺は最低でも1年はここにいるから。」
去り際ルイがカナデに言った。そこでふと気になったことをルイに聞いてみた。
「もし見つけた愛し子があなたの保護を求めていなかったらどうするの?」
「それでも保護するよ。愛し子は必ず王宮に連れていく決まりになってるからね。王宮に行けば贅沢な暮らしもできる。毎日遊んで暮らせるし、いいことずくめだろ?」
「本人の意思を無視しても? 大切な人がいたとしても?」
「やけに気に掛けるな。連れていくのが決まりだからどんなことがあっても必ず連れていくよ。抵抗したら、多少手荒くはなるが…。」
ブチッ! 頭の中で何かが切れた音がした気がした。あぁ、この感覚は久しぶりだ。気づいたらルイの言葉をさえぎって叫んでいた。
「いい加減にして! あなたたちは愛し子を何だと思ってるの? ただの国を発展させる道具としか思ってないの?」
「おっおいまて! そんなつもりはまったく「黙りなさい!!」」
ルイが何か言いかけたが、それをさえぎり私は続けた。
「そんなこと思ってないんだったら、どうして手荒なことまでして王宮まで連れていく必要があるの? 拒絶してもつれていくのでしょう? 大切なものがあってもつれていくのでしょう? それが決まりだという免罪符をもって!!! ねぇ、愛し子がいないと発展できない国って必要?あなたたちは考えるべきよ!! 愛し子があなたたちと同じ人間だということも!いきなり知らない場所に連れてこられる恐怖も! 心のよりどころを奪われる絶望も! 人として扱われない虚しさも!! あなたたちはもっと考えるべきなの!!!」
叫びながら涙が出てきた。これは私が心の奥でずっと思っていたことだった。愛し子からすべてを奪おうとする彼らへの叫びのつもりだ。おそらく理不尽な扱いを受けているであろう、私と同じ境遇の人達の叫びだ。
「ハァハァ。もう話すことはないわ。帰ります。行こっカイル。」
『あぁ。』
肩で息をしながら奏はカイルとともに部屋を出た。呆然とする男を2人残して……。
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