トライアングル△な陰キャの生徒会ラブコメ
俺、神川秀夜は学校が憂鬱だ。リア充しか楽しめない学校行事、あれはリア充や陽キャが楽しそうにキャッキャしてて恋が実るだとか青春だとか言っているのをみながら楽しむ(楽しめない)もの。あと休み時間、クラスメイトがうるさい。放課後は帰宅部なので家に一直線。部活とかしないで一刻も家に帰りたい。
...そんな典型的な青春ヘイトが生徒会長になった。
もちろん俺から立候補した訳ではない。
昨日の放課後、生徒会室にて
「海風ちゃん、もうすぐ生徒会メンバーって交代じゃん?でもさ、年々立候補する人の人数減ってない?」
生徒会長がため息をついて書記の後輩に話しかけた。
「確かにそうですね、私達の学年でもほとんどいなかったです。」
やはりみんな面倒くさいせいか生徒会に入りたがらない。
「でも、生徒会に入る人ってさ、私以外は真面目でスクールカースト上位の人しか入らないじゃん?それじゃ話し合いの時とかも同じような意見しか出なくてちょっとつまらないからたまには変わった人とか入れたいなって。」
「先輩は確かに真面目では無いけど、、、たまには違う人って、、先輩じゃないですか。」
「はっきり言われると自分で分かっててもちょっと悲しいかなぁ」
生徒会長は真面目な性格ではないが、明るくて人望があるので生徒会長になった。
「でも先輩、真面目ではない人を生徒会長に入れるとろくなこと無いですよ。仕事忘れるし。」
「そういうことじゃなくて、なんか学校であんまり目立たない人とかが生徒会メンバーになったら面白いかなって。私は今年受験で生徒会にはもう入らないからこそだよ。」
「目立たないという言い方は良くないかも知れませんが2年特進科の神川秀夜くんとか天瀬理音(あませ りのん)さんなどですか?私達のクラスの話し合いとかもあんまり参加してくれなくてほんと困ってます。」
「だからこそだよ海風ちゃん、2人を成長させる為にもでしょ?2人は陰キャかもしれないけど人材はあるよ。ほら、2人とも頭いいじゃん、」
「確かに頭は良いかもしれませんが彼らはクラスとの交流を徹底的に避けています。成長なんて、、、難しいでしょう。」
海風はちょっと困った顔をした。
「いや、2人は絶対に成長できるよ!学校生活ももっと楽しんでくれるはず!」
「その根拠はどこから、、、」
「じゃあ、早速誘いに行こう!」
先輩は海風の手を引っ張った。
「ちょっと、私の話を聞いて下さい!」