表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/43

31話 サイクロプス

 サイクロプスが旋風のごとく、こん棒を振り回す。

こん棒にヒート剣を当てても、こん棒はヒート剣の当たっているところだけ赤くそまるだけで断ち切れない。

しかたなく、サイクロプスのこん棒をヒート剣で受け流す。


 サイクロプスは巨体のわりに動きが俊敏で、片方の手でカナトをわしづかみにしようとする。

カナトはこん棒と片手とを回避して、サイクロプスの懐に入るタイミングを狙う。


 体長10mを超えるサイクロプスの胴は、カナトがジャンプしても届かない。

狙うのはやはり足の膝裏が有効だろうと狙いを定める。


 カナトはサイクロプスの攻撃をすり抜けて、股下へもぐりこんで、ヒート剣で右膝の裏を一閃して、膝の健を断ち切ろうとするが、サイクロプスの筋肉が固く、皮膚と少しの筋肉しか断ち斬れない。

それでも痛かったらしく、サイクロプスの右膝が崩れ、体制が崩れる。


 それでもサイクロプスはこん棒を振るい、カナトを狙ってくる。カナトはヒート剣でこん棒を受け流そうとするが、

 こん棒の威力は大きく、大きく体を吹き飛ばされる。


 ダンジョンの壁にぶつかる瞬間に体を回転させて、足から着地し、膝を屈伸して、ショックを吸収する。



「なかなか、しぶとい奴だな」


「サイクロプスと渡り合っているカナトのほうが異常です」



 今回の戦いでは、魔法に頼らないつもりだったが、さすがに無理がありそうだ。



『魔素よ。サイクロプスを氷結しろ』


《私達の出番ですね。お任せあれ》



 サイクロプスの足から徐々に体が凍結されていく。サイクロプスは自慢の力で、氷結していく足の周りを蹴りとばして、氷を割っていく。

しかし、徐々に動きが鈍くなり、『氷結』の魔法が有効のようだ。


 カナトは動きが鈍くなったサイクロプスへ向かって駆け走る。そして膝の上にジャンプして、飛び乗って、もう一度ジャンプして、サイクロプスのこん棒を握っている右手をヒート剣で狙う。


 ヒート剣はサイクロプスの右手首を半分まで断ち斬って健を斬る。

こん棒がドシンという音と共に、地上に落ちて転がる。これで1つの脅威がなくなった。


 サイクロプスは左手を振り回して、空中へ逃げるカナトを殴る。ヒート剣で受け止めるが、勢いが止まらず、ダンジョンの壁まで飛ばされる。


 『氷結』魔法が効いているので、サイクロプスの体の動きは鈍いが、それでも、カナトの前進にかなりの衝撃を受けて、ダンジョンの壁から落ちて、床に倒れこむ。


 たぶん全身の骨が砕け、内臓もやられているような気がする。



「これぐらいの戦いで何をしている。カナトは我を守るのじゃろう。もっと強くなるのじゃ……『ヒール』」


 ナナが『ヒール』をかけてくれた。カナトの体が全回復する。


 『氷結』の魔法が徐々にサイクロプスの体を蝕み、今では下半身が動かなくなっている。そして上半身にまで魔法の効果が及んできている。


 カナトはサイクロプスに果敢にアタックして、サイクロプスの右腕をヒート剣で切断する。

ドスンという音とともに右手が地面に落ちる。


 サイクロプスの右手の傷口から、紫色の血が勢いよく噴き出す。


 サイクロプスは残った左手で、カナトをつかもうとするが、カナトは上手くサイクロプスの右側に回って、それを回避する。


 カナトは残っている左手の肩をヒート剣で斬り裂く。肩の傷口から紫色の血が噴き出して、カナトの全身を紫色に染める。


それでも、諦めずに何度もヒート剣で斬り裂いて、サイクロプスの左腕も肩口から切り落とす。

地上にドスンという音が響き渡る。


 これでサイクロプスへ両腕ともに肩口から失われた。後はサイクロプスの首を斬り飛ばすだけだ。

サイクロプスの体は『氷結』 魔法によって動かない。



「これで終わりだ」



 カナトは全神経をヒート剣に集中させて、横なぎに一閃する。

しかし太いサイクロプスの首は筋肉が切れるだけで、半分も断ち切れない。


 しかしサイクロプスはダルマ状態だ。何も焦る必要はない。

何度もヒート剣を一閃させて、サイクロプスの首を斬り飛ばす。

サイクロプスの体は『氷結』魔法によって立ったまま、首が地上にドスンと落ちた。

紫色の血がシャワーのように噴き出る。


『氷結』魔法を解くと、体が崩れて仰向けに倒れていく。

カナトはサイクロプスの胸の上に飛び乗る。

そしてヒート剣を胸に突き刺して、胸を斬り裂いて魔石を取り出す。

魔石は非常に大きく50cmを超えた球形をしている。

今まで、これほど大きな魔石を見たことがない。



「やったぞ……ナナ……なんとか勝ったぞ」


「それでこそカナトなのじゃ」


「嘘です……今まで地下6階層の階層主を倒した人はいません……それを、たった1人で倒すなんて……あり得ない……すごすぎる」



 ミディは未だに、目の前で起こった現実を受け入れられないようだ。

今まで、地下6階は未到達階層だったのだから仕方がない。



「これで、ミディにもきちんと支払いができるな」



 ナナに生活魔法で身ぎれいにしてもらったカナトは、革ホルダーに手を入れて金貨7枚をミディに渡した」



「契約の金額よりも多いと思うんですけど、どうしてですか?」


「できれば俺がサイクロプスを倒したことを内密にしてもらいたい。そのための口止め料だ」


「誰に話しても信じませんよ。地下6階の階層主が、1人の冒険者に負けたなんて誰も信じませんから、誰にもいいません。良いものを見せてもらいました」



 ミディは本当は帰りたそうだが、好奇心のほうが勝っているようだ。

最後までついて来るという。

別にカナト達も断る理由はない。


 後は最下層の地下階層7階だけだ。

カナト達は大通りを歩いて、地下7階層へ向かう。

地下7階層では鍛冶神ギオルギがいるはずだ。

ナナは嬉しそうに、カナトの手をつないで地下7階層へ通じる道を歩いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ