7、読書のススメ
前回の半額刺身バトルを読んで、私が無類の刺身好きだと思われた方もいるかと思いますが、私はライオンなどと名乗りながら、実は生々しい肉や魚が苦手なのです。
別に菜食主義だとか、何か特殊な宗教で食べないことにしているとかではありません。
ただ苦手なのです。
食べられないわけではないので、多少は食べます。
ですが脂ののった魚はちょっと無理です。
トロやハマチは、罰ゲームのような気持ちで食べることになるので、刺身好きの家族からは無理して食べてくれるなと言われ、最近は滅多に口にしません。
では刺身が嫌いなのかと言うと、うすく切ったタコやイカや淡白な白身魚などは結構好きなのです。刺身好きから見ると、そういうのは刺身とは言わないのかもしれませんが。
ですが薄い刺身ってあまり売ってないですね。
できれば鼻息で吹き飛ぶぐらい薄いのがいいのですが、刺身好きからすると邪道なのでしょう。せいぜいフグか、スモークサーモンぐらいでしょうか。
スモークサーモンでも私にはちょっと分厚いですね。
ひふ○んぐらいの立派な鼻がないと吹き飛びませんしね。
回転寿司なんかに行っても、すぐにラーメンやデザートにいってしまいます。
いきなりシメかい! と大ひんしゅくをかうので、気心の知れた人としか行けないですけど。
ですが最近の回転寿司屋さんのラーメンは、美味しいですね。
魚で出汁をとったあっさりラーメンは結構お気に入りです。
え? ホントにどうでもいい話だな?
失礼致しました。
なんか一言面白い日常をと思ったのですが、何にもありませんでした。
今日は諦めて、本題に入ります。
前回は『執筆のススメ』だったのですが、今回はそのさらに手前『読書のススメ』です。
もっとも、このサイトに来ている方は、すでに読書好きの方がほとんどでしょうが。
本を読むということの持つ意味は、人によって違うと思います。
例えば知識を得るためだったり、人生を考えるためだったり、自分を向上させるためだったり。
私の場合は『逃避』でした。
今はもう少し違う意味を持って読んでるものもありますが、一番深くのめり込んだのは本に『逃避』していた時です。
逃避というと後ろ向きに感じるかもしれませんが、逃避は悪いことではないと思っています。
生きていると、どうしても辛いことや、悲しいことや、どうにもならないことが重なったりして、逃げ道を塞がれたような気持ちになる時期があると思います。
現実から逃げることは出来ないけれど、ずっと苦しい中に浸ってしまうと心というのは壊れていきます。少し息抜きをさせてあげないと、深い闇に落ちてしまいそうになります。
そんな時に本の中の主人公になりきって、現実からまったく離れて冒険したり、爽快に悪者をやっつけたり、愛に囲まれたラストを迎えて涙したり。
本を読んでる数時間だけでも、心が明るく前向きになれることで、実生活の苦難に立ち向かう原動力となってくれたのです。
そして更に自分で書くようになってからは、書いている間だけは小説だけと向き合ってとても幸せな時間を過ごせたのです。
もし私に読むことと書くことがなかったら、今頃どうしてたんだろうと思うのです。
何を生き甲斐として今を生きてたんだろうと考えると怖くなります。
小説にどれほど救われた人生だったかと思うと、同じように救われる人がたくさんいるのではないかと思うのです。
どんなに辛いことがあっても一日一時間だけでも幸せな時間を持つことが出来るなら、そこでリセットして明日に向かえるのです。
この幸せな一時間を音楽で得る人もいれば、絵を描いて得る人もいるし、あるいは仕事で得る人も、友人とのおしゃべりで得る人もいるでしょう。
ですが小説はその中でも最強だと私は思っています。
ネット小説なら無料でいくらでも読めるし、書こうとおもったらペン一本、あるいはパソコンかスマホさえあれば出来ます。
楽器をそろえたり、画材道具を買ったりする必要もありません。
なんのリスクもなく始められます。
自分と切り離した存在として書くことも可能です。
本を出すハードルもずいぶん下がっているので、まったくの夢でもありません。
これって最強じゃないですか?
本を読まないという人は、この最強の手段を知らないのだと思うともったいないなと感じます。
人生を悲観して自殺したり、絶望している人の何割かは、もし本の魅力を知っていたなら救われたのではないかとも思うのです。
だから、もっともっと本を読んで欲しいし、書きたくなったらどんどん挑戦してみて欲しいと切実に願っています。
最近は読書人口が減っていると言われていますが、それはとても残念です。
本が嫌いという人は、いきなり文豪の名作を読もうとしたのではないかと思うのです。
難解な描写と、どういう意味なのか分からない結末。
ハッピーエンドは滅多になくて、暗い文体が続く。
いきなりこんな本を読んでも、楽しいなんて思うはずがないのです。
大文豪の名作というのは、ある程度読書に慣れた玄人読者が読むものではないかと思うのです。
あるいは生まれつきの天才肌の読書家か……。
音楽なら二、三分の曲で、感動して涙することが出来るのに、数時間読んで結局何が言いたかったんだ! という結末では嫌いになっても仕方ないです。
時代が分かりやすい快楽で溢れているのに、わざわざ暗い気持ちになる本を何時間もかけて読む若者などそんなにいないのです。
最初は気楽で爽快でわかりやすいものから読んでいけばいいのだと思うのです。
そしてネット小説は、そんな作品で溢れています。
私もそんな小説を書けたらと、いつも思っています。
今まで全然興味がなかったけれど、ちょっと読んでみるかと思った人が気楽に入り込んでいけるような分かりやすく爽快な物を書いていきたいと。
いつか路線を変更して、もっと重苦しいものを書きたくなる日があるのかもしれませんが、今しばらくは爽快ハッピーエンド担当で書いていきたいなと思っています。
次話タイトルは「周りに公言するメリット」です