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6、誰にも知られず小説を書くことは出来ます!


 昨日は仕事が遅くなったこともあり、近所のスーパーに行くとお刺身に半額シールを貼っている時間帯でございました。


 これはチャンスとばかり、私も人だかりに入って行きました。

 夫は大多数の日本人の類に洩れず、刺身が大好物でございます。

 勝手にエッセイの題材にしてしまっている懺悔を、半額刺身で詫びようというわけです。


 目の前で店員のお兄さんが次々に半額シールを貼るのを見守る主婦の群れ。

 私も群れに紛れ、まだシールが貼られてない刺身に目星をつけておきます。


 よし! あの刺身に決めたわ。

 あれにシールが貼られたら、今こそライオンの名に恥じぬ跳躍でゲットするのよ。


 しかし、ツワモノ主婦の中にはとんでもないフライングをする人もいます。


 まだシールが貼られてない刺身を5パックほども持って「兄ちゃん、先にこれにシール貼ってや」などと、半額シール界のおきてを乱すフライング主婦が現れるのです。


 人の良さそうなお兄さんは、素直におばちゃんの要請に答えます。

 すると次々に掟破りの主婦が列を作り始めます。

「お兄さん、こっちもお願い」「これもお願いします」


 ルール破りの主婦達に取り囲まれ困惑するお兄さんに私も……。

 と思うのですが、どういう訳かそういう時だけ人見知りになるチキンなライオンなのです。


 仕方なく(あの刺身だけは取らないで)と祈りながらお兄さんが解放されるのを待ちました。

 そしてようやく解放されて、お兄さんが再びシールを貼り始めます。


 私の刺身は無事フライング主婦達の魔の手を逃れたようです。

 私はホッとしてお兄さんがシールを貼ってくれるのを、今か今かとけものの目で見つめておりました。


 そしていよいよ私の目当ての刺身に……。


 と思ったら、なんという運命のいたずらなんでしょう。

 私の殺気さえ感じるほどの獣の視線に緊張したのか、目当ての刺身だけシールを貼り忘れているではありませんか。


 私は鬼の形相で、立ち去ろうとするお兄さんの腕をガシッと掴み

「ちょっと、あなた! これをご覧なさい! 貼り忘れてるじゃないの。あなたはその程度のプロ意識で半額シール貼りなどという重大ミッションをこなしているのですかっ!」


 などと……


 怒鳴りつけられるぐらいなら、最初からフライング主婦に混じって「兄ちゃんこれもシール貼って」と言えるわけでして。


 がっくりとたてがみとしっぽをうな垂れて、定価の刺身を……買うのはなんだか負けたような気がするので、隣の全然ねらってもなかった半額刺身を手にしたのでした。


 もちろん夫には高そうに見える皿に盛り付け直し「あなたのために一番美味しそうな刺身を買ってきたのよ」などと適当な事を言って食卓に出したのでございます。


 え? なんの話をしてるんだ?

 あんたの半額買いのくだらん話を読みにきたんじゃない?


 そうでございました。失礼致しました。

 では今日の本題に入ります。


 前回まで小説を書いてることを人に公言する事の、私にとってのデメリットを述べてきました。

 

 このエッセイは、夫にいつ、どうやって告げるのかというスリリングな部分と、なぜ内緒にしているのかという事から、私の執筆に対する思いを書き連ねているのですが、実はもう一つ裏テーマがあります。


『恥ずかしがりやのあなたも書いてみませんか?』


 という執筆のススメです。


「私にはそんな大それたことは出来ません」

「小説を書いてるなんて誰かに知られたくないです」

「家族に読まれたら恥ずかしい」


 本当は書いてみたいけど、いろいろ考えたら出来ないという人も多いのではないかと思うのです。


 ですが、とりあえず私の例を挙げるなら、一人で黙々と書いてたまに公募に出していた時はもちろん、ネットで書き始めてからの二年間も誰にも知られることはありませんでした。


 結構、毎日ぐらいの投稿をしてても出来ました。

 週に一話ぐらいなら余裕でバレません。

 年に一作、ネットではなく公募などに出すだけならまったく余裕です。


 ただ、人によって環境は様々なので私と同じに出来るかは分かりませんが、一日一時間だけでもパソコン前に一人で座れる時間があれば、少しずつでも書いていけます。


 子育てで外に出られない主婦などにはおすすめです。


 ですが誰でも書いてみればいいという訳ではありません。

 やっぱり素質というものがあります。


 いい大学を出ているとか、国語が得意だったとか、漢検1級を持ってるとか、そういうことではありません。


「夢中になって読む小説があるか」


 これだけです。


 面白い小説を書けるかどうかは、面白いというのがどういう感覚なのかを知ってなければ難しいと思います。

 逆に夢中になって読んで、次はどうなるだろうかと空想を巡らせることの出来る人は、その感覚を覚えておいて、自分で書いてみればいいだけです。


 ただ、最初はうまく文章がつなげなかったり、完結にどうしてももっていけなかったり、誤字脱字だらけで大変だったりするかもしれませんが、努力次第で誰でも上達していきます。


 ともかく思わぬ才能が眠っているかもしれません。


 まずは書いてみて欲しいです。


 向いている人というのは書けば書くほど楽しくなって、新たな自分の可能性に気付くだろうと思います。


 この段階で、書くのが辛いという人は無理しないで下さい(笑)

 読むのだけが好きだという人もたくさんいるでしょうから。


 でも書いてみたいけどためらってる人は、迷ってる時間がもったいないです。

 書けば書くほど上達するのですから、少しでも早く始めた方がいいです。


 ただ、あまり早い段階でネットに投稿するのは、私はあまりお勧めできないです。

 まずは完結作を何作か書けるようになってからの方が、筆を折る可能性が低いかなと思うのですが、でも最初からいい物を書ける人もいるかもしれないので全員に当てはまる訳ではありませんが……。


 小説を書いて何を最終目標にするかも人それぞれですが、私はファンが一人いれば成功ではないかと思うのです。


 誰かが自分の小説で、気持ちを前向きに出来たり、今までと違う考えを持てたり、楽しい時間を持てただけでも書いた意味はあります。


 ネットで書くことの出来なかった時代は、どれほど多くの名作が埋もれて、必要としている人の目に触れないまま消えていったのかと思うと、今は本当に幸せな時代だと思います。


 誰もが自分の小説のファンを見つけるチャンスを持っているのですから。


 小説を書くのは、そんなに大きな一歩ではないです。

 実生活の自分を切り離したまま、誰にも知られず書くこともできます。

 私も本を出さなければ、このまま一生誰にも言わず今の状態を続けられたと思っています。

 そんなに必死に隠してたわけでもありません。


 だから興味のある人は、勇気を出して一歩進んでみて欲しいのです。



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