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第2章 バザールとカスピ海小旅行

第2章 バザールとカスピ海小旅行


7月23日(日)

今日は楽しみにしていたバザールに行く。会社の運転手にバザールの入口まで送って貰う。イランの町は、モスクを中心に出来ており、どの町に行ってもモスクが有る。そしてその周りにはバザールがある。バザールは卸売も小売りもする。テヘランのバザールは巨大で(それでもパーレビ国王の近代化政策で半分の規模になったそうだが)、迷路のように入り組んでおり、中に入ると、外国人などは1人で出てこられないだろうと言われている。ということで、強度の方向音痴の僕は不安にかられながらも、迷子にならないように目印になる店を記憶しながら奥へ奥へと進む。

歩いているうちに気がついたが、バザールの中は通りや区画ごとに、同じ業種の店が集まっている。金の店、銀の店、食器の店、絨毯の店などがそれぞれの問屋街を構成している。

バザールの建物にはレンガや漆喰のアーケードが覆っているが、太陽光を取り入れる天窓があって、結構日差しがあり、明るい。

スパイス屋さんからは、いい香りが漂ってくる。ペルシャ絨毯の店は呼込みのおじさんが熱心に声をかけてくる。中には“安いよ”と日本語の声もかかる。ついつい店に入ると、店主から椅子に座るように促され、奥から紅茶が出てくる。紅茶を飲み終わると絨毯を一つづつ見せてくれる。安いものから何百万円といった高価なものまであらゆる絨毯がある。色やデザイン(メダリオン柄や幾何学模様のもが多い)も産地ごとに特色があり見ていると時間を忘れる。一通り説明が終わるとまた紅茶を進められ、価格交渉が始まる仕組みになっている。然し今日は見学が目的なのでお礼を言って店を出る。

バザールでは、何を買うにも値段を交渉する必要があり、最初に店主から出される値段は、高めに設定されている。特に、高価なペルシャ絨毯を買うときなどは、値段の交渉に半日はかけるつもりでなければならないと言われている。

 金の店も一杯ある。イランでは、金はアクセサリーであっても、グラム単位で売られていて、重さで値段が決まる。それにわずかな工賃を足しただけなので、格安の値段で18金のアクセサリーが手に入る。 イラン人にとって金は、アクセサリーであると共に財産なのだ。歩いても歩いても、バザールの終わりには行き着かない。食器の店、服や下着の店、雑貨屋。食料品店、食べ物屋----ありとあらゆる店が有る。頭がくらくらしてきたので今日は引き上げることにするが、充実した1日だった。 


8月1日(火)

過去2週間の暴動・デモで300人以上が逮捕、6人が死亡。40以上の銀行、数えきれないくらいのレストラン、酒屋、映画館が襲撃された。


8月4日(金)

昨晩はキャバレー(イランにはキャバレーもあるのだ)に行き遅くまで飲んでしまった。ジュース一杯が留学生の半月分の給料と同じくらい高い、しょっちゅうは行けない。3時間寝ただけで、眠い目をこすりながら起床。前から計画していたカスピ海への日帰り旅行に出発する。日本からの出張者と管理部の今田さん、そして僕の3人だ。12時過ぎに、カスピ海に到着。テヘランから車で4時間半くらいだが、3,000m級のエルボルズ山脈を越えると、そこには木が沢山茂り、水田もあり、入道雲も出ており、日本の夏の農村風景そのものである。トンネルを抜けるとそこは雪国-----ではないが、山脈を越えるとそこは日本の農村であったという感じである。 信じられないでしょうがテヘランではほとんど、毎日晴れで雲を見ることがありませんが、このカスピ海地方は雲もあれば雨も降る。心和む風景である。 海岸に着くと、そこはとても綺麗なリゾートで良いホテルも有ったが、日帰りの為、3時間くらいしか泳げなかった。来年の夏には妻と一緒に泳ぎに来たいものである。


 テヘランへの帰途、タイヤがパンクしたり、後ろのトランクから突然、煙が出て車が止まってしまい、アクシデント続出だったが、なんとか修理も出来て、無事テヘランに夜の11時に帰着した。あ~疲れた!! 


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